NECは2017年3月16日、米国国立標準技術研究所(NIST)が実施した動画の顔認証技術のベンチマークテストで、世界1位の性能評価を獲得したと発表した。1位の評価を獲得したのは、2009年から4回連続となる。NISTはこれまで静止画の顔認証技術のベンチマークテストは実施していたが、動画については初めてだ。

 会見に臨んだ山品正勝執行役員は「動画の顔認証技術は、静止画に比べて実用性が高い。利便性が広がる」と話した。山品氏によると、海外における顔認証技術の関連事業は「年率30~40%の伸び率で成長している」という。

NECの山品正勝執行役員
NECの山品正勝執行役員
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 NISTが実施した評価プログラムは、空港の乗客ゲートでの入退管理でテストする。カメラの前で立ち止まらずに通り過ぎる人物を、事前に登録していた人物と照合した。認証対象は動画248本で、事前登録人数は480人だ。

 同テストにおけるNECの顔認証技術の照合精度は99.2%。第2位のベンダーに比べて、エラー率は4分の1以下だったという。

 このほか、屋内監視カメラが撮影した映像を想定した評価テストについてもNECは1位の性能評価を獲得した。被写体となる人物がカメラから遠く、顔の向きなどが変動しやすい状況を想定している。同テストにおけるエラー率は14.6%で、2位に比べて半分以下だったという。

 NISTが動画の顔認証技術のベンチマークテストについて最終報告書を公開したのは2017年3月。2015年2月から評価を開始していた。日本、米国、イギリス、フランス、中国、韓国などから16社のベンダーが参加した。