楽天は2017年3月15日、ドローンの空域管制システムを提供する米AirMap社と共同で、楽天AirMap株式会社を設立したと発表した。AirMapのノウハウをベースに、日本国内で商用ドローンの安全な運用を可能にする運行管理サービスを、早ければ2017年半ばに開始する。

 新会社の出資比率は、楽天51%、AirMap49%で、代表取締役CEOには楽天の向井 秀明氏が、代表取締役にはAirMap社の共同創業者兼CEOのベン・マーカス氏が就任する。

 記者会見で楽天 執行役員兼新サービス開発カンパニー プレジデントの虎石 貴氏は、「楽天はすでにドローンを活用した配送サービス『そら楽』を開始している。物流業界におけるドライバー不足、交通渋滞の緩和など社会問題を解決する取り組みでもある。商用サービスの一番手として、より安全なドローンの運行を実現するには無人管制システムが不可欠だ」と、無人航空機管制(UTM)事業への参入経緯を述べた。

楽天 執行役員 兼 新サービス開発カンパニー プレジデント 虎石 貴氏
楽天 執行役員 兼 新サービス開発カンパニー プレジデント 虎石 貴氏
(撮影:下玉利 尚明、以下同じ)
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官民連携による重要インフラを守る

 続いてAirMap社のベン・マーカス氏は、同社のドローン向け空域管制プラットフォームである「AirMap」について紹介。米国では125カ所以上の空港、空域管理者が、周辺空域の状況確認や飛行記録や飛行状況の確認、飛行通知の受信、ドローン操縦者とのコミュニケーションに、AirMapのプラットフォームを活用しているという。

AirMap社 共同創業者兼CEO ベン・マーカス氏
AirMap社 共同創業者兼CEO ベン・マーカス氏
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 AirMa社は、ドローンの安全な運行に必要な状況認識、飛行計画の支援、サイバー攻撃に対するソリューションも提供し、「スマートフォンで操縦者のプロフィール管理、飛行可否情報の提供、飛行計画の確認などを行える」(ベン・マーカス氏)など、利便性の高さを説明した。