ジュピターテレコム(J:COM)は2017年3月15日、日本放送協会(NHK)と一般社団法人の放送サービス高度化推進協会(A-PAB)が実施しているBSによる4K・8K試験放送を、4K映像の形で、3月21日午前10時からケーブルテレビで放送(同時再放送)すると発表した。

 BSを利用した4K・8Kの試験放送は2016年8月にNHKが開始した。その後、2016年12月にはA-PABも加わったが、現在は対応の受信機が発売されておらず、NHK各放送局など限られた場所で公開されている。

 今回は、まず試験放送波を日本デジタル配信で受信し、8K放送の映像は4K映像に変換して再圧縮するとともに、ストリーム形式もMPEG-TSに変換する。その信号をJ:COMが受け取り、CASなどを現行サービスに合わせたあと、各家庭に送信する。その結果、既に4K放送対応のセットトップボックス「4K Smart J:COM Box<録画機能付き>」を利用中の世帯では、そのまま家庭で試験放送で提供される8K・4K番組を、4K映像で視聴できるようになる。

(発表資料から)
(発表資料から)
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図●放送の流れ

 既に4K Smart J:COM Boxを導入している世帯は、追加料金なしで利用できる。音声は、ステレオ放送または5.1chとなる。22.2chあるいは2カ国語放送などには対応していない。J:COMの一部エリア(J:COM武蔵野・三鷹、川越、春日部、南横浜)では4月上旬の開始を予定する。

 2018年12月以降にBS・東経110度CSを使って順次開始される4K・8K実用放送の段階では、ケーブルテレビから放送される信号の仕組みが異なるため、今回のように4K Smart J:COM Boxでの視聴はできない。

 なお、今回のような仕組みに基づく同時再放送は、ケーブル4Kのサービスを提供するケーブルテレビ局を中心に各局で準備が進んでいる。今後、各地の状況に合わせて、続々と対応が始まる見通し。

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