米Microsoftは2017年3月14日(米国時間)、業務用チャットサービス「Microsoft Teams」の一般提供を開始した。クラウドサービス「Office 365」のEnterpriseプラン、またはBusinessプランを利用中の法人ユーザーが対象で、有料サブスクリプション(従量課金)の一部として無料で利用可能になる。

Microsoft Teamsのチャット画面
Microsoft Teamsのチャット画面
(出所:日本マイクロソフト Japan Office Official Blog)
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 Microsoft Teamsは2016年11月2日(米国時間)に、日本語を含む18の言語でパブリックプレビュー版が登場済み。Office 365の一部として提供され、「単体での提供は予定していない」(日本マイクロソフト マーケティング&オペレーションズ部門 Officeマーケティング本部 プロダクトマーケティングマネージャーの吉田馨一氏)。

 会話履歴をテーマごとにスレッド化できる点や、開発ツールなど外部サービスとの連携機能を備えることから「Slack」の対抗ともいわれる。日本マイクロソフト Office マーケティング本部 業務執行役員 本部長の中原徹三氏は「開発部門の人にはSlackのほうが使いやすいかもしれないが、より幅広い社員が共同作業を進めるのに向いている」と違いを強調する。

 Teamsの特徴の一つが、WordやExcelといったOfficeアプリケーション、Skype for Business、企業向けSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のYammerなど、Office 365の各サービスと連携できる点だ。SkypeやYammerもTeamsに近いサービスだが、中原氏は「Skypeはリアルタイムや音声での対話、Yammerはチームを超えた会社全体の情報共有などに適している」と話す。

 クラウドサービス「Microsoft Azure」のボット開発サービスとの連携も可能だ。「ITのヘルプデスクを代行するチャットボットを開発して情報システム部門の負荷を減らすなど、いろんな使い方が考えられる」と吉田氏は説明する。

 日本マイクロソフトでは既に一部の社員がTeamsのパブリックプレビュー版を利用している。中原氏は「メールでのやり取りに比べて会話のスピードが上がったと好評だ。スレッドごとにチームで共有する文書を管理できるので、必要な資料を探す時間も短くなる」と効果を挙げる。2017年第2四半期以降には追加機能の提供や、新たな言語の対応を予定している。