シスコシステムズは2017年3月14日、ハイパーコンバージドインフラストラクチャー(HCI)製品の最新版「Cisco HyperFlex 2.0」を発表した。オールフラッシュモデルの投入、サーバー間を毎秒40Gビットのネットワークで結ぶなど、パフォーマンスを引き上げた。「Cisco HyperFlex HX220c オールフラッシュ」「同 HX240c オールフラッシュ」などの製品を、3月1日に販売開始している。

Cisco HyperFlex HX240c オールフラッシュ
Cisco HyperFlex HX240c オールフラッシュ
(出所:シスコシステムズ)
[画像のクリックで拡大表示]

 HCIはPCサーバー(ノード)を並べ、スケールアウトでインフラを拡張するアーキテクチャーを持つ。ハイパーバイザー、ストレージ仮想化ソフト、運用管理ソフトなどをサーバーに組み込んで提供する製品だ。

 「オールフラッシュと、HDDとSSDを併用する従来のハイブリッド構成のどちらも同じコントローラーで制御できるのが強み」。シスコシステムズ コンピューティング システム プロダクト グループ プロダクト マネージャーのアニケ・パタンカール氏はこう話す。オールフラッシュではリードキャッシュを使わないなど、ストレージ構成に応じてコントローラーで切り替える。「オールフラッシュ構成はパフォーマンスが高いのに加え、重複排除や圧縮機能などによりストレージの利用効率も高い」(パタンカール氏)。

シスコシステムズ コンピューティング システム プロダクト グループ プロダクト マネージャーのアニケ・パタンカール氏
シスコシステムズ コンピューティング システム プロダクト グループ プロダクト マネージャーのアニケ・パタンカール氏
[画像のクリックで拡大表示]
シスコシステムズ データセンター/バーチャライゼーション事業部長の石田浩之氏
シスコシステムズ データセンター/バーチャライゼーション事業部長の石田浩之氏
[画像のクリックで拡大表示]

 「インフラコストの削減は共通テーマ。どんな大企業でもスモールスタートしたいと考えている」。シスコシステムズ データセンター/バーチャライゼーション事業部長の石田浩之氏はHCIが求められてきた理由を説明する。スケールアウト型のHCIであれば、必要に応じてノードを買い足し拡張できる。「ビジネス部門が求めるインフラ調達のスピードや、コストの課題にも応えられる」(石田氏)。

 同社はデータセンターのアーキテクチャーについて「ASAP」と呼ぶ戦略を掲げる。Analyze、Simplify、Automate、Protectの観点から、データセンター運用の効率化を図るものだ。HyperFlexや同社サーバー「Cisco Unified Computing System(UCS)」は、このうちSimplifyを担う。