V-Lowマルチメディア放送を利用して放送サービス(Amanek放送)を含む自動車向けコンテンツサービスを展開するアマネク・テレマティクスデザインは2017年3月14日、「自動車アフターマーケットのコネクト始まる」をテーマに、八つのソリューションの提供を開始すると発表した。

 目玉の一つが、既販車向けCRMである。バイテックシステムエンジニアリングが開発したV-Lowマルチメディア放送用の小型チューナーモジュールと3G/LTEを1ボードに収めた「IoTモジュール」を提案、カーナビなどの車載機を含む各種製品にこのモジュールの組み込みを目指す。このモジュールはID付与による個体識別が可能なため、放送波などを利用したターゲット広告やCRMデータ配信などを実現できる。

 付与されたIDを利用することで、販売店などが自らの顧客に対してのみに様々なインフォメーションを、音声だけでなく、クーポン配信、ナビ目的地設定・誘導、URLなどを含む形で提供することが可能となる。こうしたサービスを通じて、販売店などがクルマや各種装置を販売したあとも、長期にわたり顧客との設定を維持して他店への顧客流出防止を図ることが可能になる。カー用品店や中古車、ガソリンスタンド、整備工場などでの利用を想定する。

図1●既販車にもCRM情報を
図1●既販車にもCRM情報を
(出所:発表資料)
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 バイテックが開発した小型チューナーモジュールの寸法は、18mm角と従来品と比較して大幅に小型化した。また、Amanek放送の特徴である固体識別IDにも対応する。車載機器に組み込んで利用することも想定して、動作温度範囲は-30度から+85度と広い。サンプル出荷を2017年春に開始する。

写真●従来モジュール(左)と新規開発の小型チューナーモジュール(右)
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写真●従来モジュール(左)と新規開発の小型チューナーモジュール(右)

 アマネク・テレマティクスデザインは、このほかにBtoB向けに、業務車両向けソリューション、カーライフ体験型イベント、気象情報API、運輸用コンテンツモニター、デジタルサイネージ向け気象警戒予測情報、店頭インフォメーションサービス、デジタルラジオ放送とカーナビの連動サービスなどを展開する。

 業務車両向けソリューションでは、IoTモジュールを組み込んだナビシステムを低価格で実現することにより、管理者からの業務連絡をロボット音声で伝えて、ドライバーはワンタッチで確認通知を送信するといったことを可能とする。さらに、Amanek放送サービスの特徴であるピンポイントの気象警戒予測情報を提供したり、ドライバー向け専門番組を提供するといったことも可能。ダクシーや運送事業者、カーシェアリング事業者、レンタカー事業者などでの利用を想定する。

図2●業務車両向けソリューション
図2●業務車両向けソリューション
(出所:発表資料)
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 気象情報APIは、Amanek放送の特徴であるピンポイントの気象警戒予測情報をAPIで提供する。デジタルサイネージ向け気象警戒予測情報や店頭インフォメーションサービスは、こうした各種気象情報をサイネージや店頭インフォメーションシステムに提供するもの。運輸用コンテンツモニターは、Amanek放送のスタジオに設置する気象モニター情報を、業務車両管理用に提供する。モニター上に車両位置を表示して、管理車両に対して気象情報を通知したりできる。

図3●気象API
図3●気象API
(出所:発表資料)
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 このほか、BtoBtoC向けに、デジタルラジオ放送とカーナビの連動サービスを提供していく。

 Amanekの新サービス展開とバイテックの新モジュールは、2017年3月15日~3月17日に東京ビックサイトで開催される「第15回 国際オートアフターマーケットEXPO2017」(第8回国際自動車通信技術展の併設イベント」のアマネク・テレマティクスデザイン展示ブースで出展する。

[アマネク・テレマティクスデザインの発表資料(PDFファイル)へ]
[バイテックシステムエンジニアリングの発表資料(PDFファイル)へ]

■変更履歴
公開当初、チューナーモジュールの寸法に誤りがありました。正しくは18mm角です。お詫びして訂正します。記事は修正済みです [2017/3/15 21:00]