KDDIとアクセンチュアは2017年3月14日、ビッグデータ活用を推進する新会社の設立で合意したと発表した。KDDIが2月27日に設立した企業に今後アクセンチュアが出資し、共同出資会社とする。

KDDIの新居眞吾理事バリュー事業本部バリュー事業企画本部長(左)、新会社の社長に就くKDDIバリュー事業本部の家中仁氏、アクセンチュアの工藤卓哉Accenture Data Science Center of Excellence グローバル統括兼アクセンチュアアナリティクス日本統括マネジング・ディレクター、アクセンチュアの金若秀樹通信・メディア・ハイテク本部マネジメント・コンサルティング統括マネジング・ディレクター(右)
KDDIの新居眞吾理事バリュー事業本部バリュー事業企画本部長(左)、新会社の社長に就くKDDIバリュー事業本部の家中仁氏、アクセンチュアの工藤卓哉Accenture Data Science Center of Excellence グローバル統括兼アクセンチュアアナリティクス日本統括マネジング・ディレクター、アクセンチュアの金若秀樹通信・メディア・ハイテク本部マネジメント・コンサルティング統括マネジング・ディレクター(右)
[画像のクリックで拡大表示]

 新会社の名称は「ARISE analytics(アライズ アナリティクス)」で、4月1日から営業を始める。資本金は2億円で現在はKDDIの100%子会社。4月以降、KDDIが85%、残りをアクセンチュアが出資する。KDDIやグループ企業が持つ顧客情報や購買情報などを集めて分析し、ネットと実店舗を融合させる「オムニチャネル」の推進やIoT(インターネット・オブ・シングズ)関連事業の創出などに生かす。データの外販はしないが、データ分析を基にした企業向けマーケティング支援サービスの提供を視野に入れる。

 3月14日に東京都内で記者会見したKDDIの新居眞吾理事バリュー事業本部バリュー事業企画本部長はアクセンチュアと組んだ理由について「海外通信会社との(データ分析に関する)協業で実績があるのに加え、データ分析に必要な基盤と人的資源を併せ持っている」と説明した。

 携帯電話市場が頭打ちになる中、KDDIは金融や物販、電力、デジタルコンテンツなど非通信事業に力を入れている。同時に各サービスの顧客IDを統一して一元的な顧客管理基盤を構築し、大量のデータを蓄積してきた。新会社を通じてグループ横断でデータ分析体制を整え、自社の「経済圏」の強化につなげる考えだ。