IDC Japanは2017年3月14日、2016年第4四半期(10~12月)の世界のウエアラブルデバイス出荷台数は前年同期比16.9%増の3390万台となり、調査開始以来最高を記録したと発表した。2016年通年では前年比25.0%増の1億240万台に達した。新たなベンダーが市場参入し、既存ベンダーが製品ラインアップを更新したことで大幅成長した。
2016年第4四半期の市場シェア第1位は、米Fitbit社が前年同期比22.7%と大幅減ながらも19.2%を占めた。米国でフィットネス・トラッカー市場が急速に飽和状態に近づいたのが原因。2位は中国Xiaomi(シャオミ)社で同96.2%増の15.2%と1位に肉薄した。低コスト戦略から、心拍数モニター搭載モデルなど、より高価格帯にシフトしようとしている。3位は米Apple社の同13.0%増の13.6%で、Apple Watchのエントリーモデルの価格を低く設定したことなどによりシェアを拡大した。
IDC Japanによるとウエアラブルデバイスは、サードパーティ製アプリケーションを実行できる「スマート・ウエアラブル」と、同機能を持たない「ベーシック・ウエアラブル」に分かれる。しかし、スマート・ウエアラブルは、これまでその有用性と必要性を示せず、主要プラットフォームのWatch OSとAndroid Wearはフィットネス・ヘルスケア分野での利用に方針転換した。
ベーシック・ウエアラブルは万歩計のような単機能デバイスからスタートし、健康管理機能やフィットネス機能をスマートフォンに通知するという機能を取り込むことで多機能ウエアラブルデバイスに進化。第1世代のスマートウオッチと甲乙つけがたい完成度に到達していると指摘する。
耳に掛ける形態のデバイスが2016年第4四半期に初めて全出荷量の1%を超え、センサー搭載型ウエアも2016年通年で1%を超えた。2017年は、より多様なデバイスの登場が期待されるという。