韓国Samsung Electronicsは現地時間2017年3月11日、米Harman International Industriesの買収手続きを完了したと発表した。Harmanはオーディオ製品のほか、自動車向けコネクテッドデバイスを手がけており、Samsungは昨年11月に同社買収計画を明らかにしていた。

 両社は2017年半ばの手続き完了を予定していたが、米国などの関連当局やHarman株主による承認がすべて揃ったため、手続き完了に至ったという。Harmanの株主は、1株につき現金112ドルを受け取る。

 Samsungは、Harmanのインフォテインメント、サイバーセキュリティ、OTAアップデート、テレマティクスといった自動車向け技術と、自社の第5世代(5G)通信、UX/UIデザイン、ディスプレイ、セキュリティ関連技術を統合し、次世代コネクテッドカーにおける採用促進を目指す。

 また、Harmanのオーディオブランドおよび技術とSamsungのモバイル、ディスプレイ、仮想現実(VR)、ウエアラブルといった電子器機関連の専門知識を組み合わせ、消費者および企業向け製品の強化も図る。

 買収完了により、3月13日にニューヨーク証券取引所でのHarman株式の取引を停止する。Harmanは独立事業として運営を継続し、Dinesh Paliwal最高経営責任者(CEO)が引き続き指揮を執る。従業員、本社、施設、およびブランドも従来どおり維持する。

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