米Alphabet傘下のWaymoが現地時間2017年3月10日に米サンフランシスコの連邦地方裁判所に修正訴状を提出し、米Uber Technologiesに対して自動運転車開発プロジェクトの停止を命じるよう求めたと、複数の米メディア(New York TimesForbesなど)が報じた。

 Waymoは先月、Uber傘下の米Ottoに自動運転技術関連の企業秘密を盗まれたとして、UberおよびOttoを相手取って訴訟を起こしていた。

 Waymoは、Otto創業者のAnthony Levandowski氏が米Google研究開発部門の自動運転技術開発チーム(のちのWaymo)に在籍中に、Googleが独自開発した自動運転向けレーザーレーダー(LiDAR)の情報を含む1万4000点以上の極秘ファイルを不正に入手したと主張している。

 Waymoは今回、修正訴状とともに従業員などによる証言を提出し、あらためてUberおよびOttoに対する仮差止命令を要求した。Googleのフォレンジック専門セキュリティエンジニアの証言によると、2015年12月に当時Google従業員だったLevandowski氏は無人自動車プロジェクトのドキュメントリポジトリーについてGoogleネットワークを検索し、特殊なソフトウエアを使って同リポジトリーから9.7Gバイトのファイルをダウンロードした。その数日後、Levandowski氏がメモリーカードをノートパソコンに8時間接続したことが分かっているという。

 Levandowski氏に加え、2名の元Google従業員も企業ファイルを保存してある「Google Drive」のフォルダーにアクセスして複数のドキュメントを取得し、直後に退社。Levandowski氏らは2016年2月にOttoを設立し、半年後にUberが6億8000万ドルで買収した。その際、Levandowski氏はUberの自動運転車部門の責任者に就いている。

 また、かつてのLevandowski氏の同僚は、同氏が自動運転車開発の会社を立ち上げようと考えていること、GoogleのLiDAR技術を持つチームの買収にUberが関心をよせていることを話していたと、証言しているという。

 Uber広報担当者は、新たな訴状をこれから検討するとした上で、「我が社は我々のチームが成し遂げてきた進歩をたいへん誇りにに思っている。Waymoの主張は、競合社の活動を阻害しようとする根拠のない試みだと判断した」との従来のコメントを繰り返した。