テクマトリックスは2017年3月9日、米クラウドビーズ(CloudBees)とのパートナー契約締結を発表した。クラウドビーズが開発するCI(継続的インテグレーション)ツール「Jenkins Enterprise」を、2017年3月21日からテクマトリックスが国内向けに提供する。

 クラウドビーズはオープンソースソフトウエア(OSS)のCIツール「Jenkins」を法人向けに提供するITベンダー。JenkinsはクラウドビーズでCTO(最高技術責任者)を務める川口耕介氏が2011年2月にOSSとして公開。ソースコードのコンパイルやビルド、テスト、品質検査、サーバーへの展開などを自動化できる。

 Jenkins Enterpriseはコンテナ型仮想化基盤である「Docker」の仕組みを使って環境を整える。Dockerの利用によりプログラムをテスト実行する環境を一瞬で複製し、複数のプログラムを同時にテストするといった開発作業が簡単にできる。ほかにも動作の安定化やサポートを受けるためのログ収集機能など、OSSのJenkinsには無い機能が組み込まれているという。

 Jenkins Enterpriseの利用者は動作確認済みのプラグインが使える。OSSのJenkinsは1200以上のプラグインが公開されているが、同時に使うとエラーが起こる組み合わせがあるなど、動作確認が十分ではないという。

 利用企業はサーバーにJenkins Enterpriseをインストールして使う。Amazon Web Services(AWS)とMicrosoft Azureでは、インストール済みの仮想マシンも使える。本誌推定の年間利用料は、サポート料込みで280万円程度。

 クラウドビーズはDockerを組み込んでいない廉価版「Jenkins Team」も用意していて、テクマトリックスもJenkins Teamを提供する可能性がある。