ロジクールは2017年3月9日、PowerPointなどのプレゼンテーションソフトを制御するリモコン「Spotlight」を発表した。説明会の冒頭、スイスLogitech Internationalアジアパシフィックシニアリージョナルカテゴリ マネージャーのMatthias Tilp氏は記者にこう問いかけた。「世界中の人々が一番恐れているのは何だと思いますか?」

説明するスイスLogitech Internationalアジアパシフィックシニアリージョナルカテゴリ マネージャーのMatthias Tilp氏
説明するスイスLogitech Internationalアジアパシフィックシニアリージョナルカテゴリ マネージャーのMatthias Tilp氏
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 答は「人前で話すこと」だという。

 しかしその割に、プレゼンテーションに使う道具はあまり進歩していなかった。専用のリモコンといっても、スライドを前後に動かす機能とレーザーポインター、それにプレゼンテーションの時間経過を示す程度しかなかった。プレゼンにおいて重要なのは、相手に正しく伝えることや、時間管理など。それが今までのリモコンではできていなかった。実際、多くのビジネスパーソンがプレゼンテーションに苦手意識を持っている。

プレゼンテーションに苦手意識を持つビジネスパーソンは多い。日本では91%が何かしら苦手と回答している
プレゼンテーションに苦手意識を持つビジネスパーソンは多い。日本では91%が何かしら苦手と回答している
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 例えばレーザーポインターで指し示しても、「緊張していると範囲がぶれがちだし、見ている立場からするとあまり長いと目がチラチラする。最近ではWeb会議も増えている。レーザーポインターで重要な部分を指し示しても、リモートの参加者にはわからない」(Tilp氏)。リモコンによっては時間経過を表示する機能はあるが、小さくて見にくいという。

 そこでSpotlightでは、大きく三つの機能を盛り込んだ。まずハイライト機能。ボタンを押すと注目してほしい部分だけ明るくなる。さらにそこを拡大して表示する機能もある。また時間の経過を振動で知らせる。三つしかボタンがないので、操作に迷うこともない。これらにより「安心して、自信をもってプレゼンできる」(Tilp氏)というのが同社の考えだ。

Spotlight。ボタン三つのシンプルなインタフェースだ
Spotlight。ボタン三つのシンプルなインタフェースだ
(出所:ロジクール)
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注目したい場所を強調表示
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拡大前
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拡大したところ
拡大したところ
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 また、動画を再生する場合などに、マウスカーソル代わりに使うための機能も備えている。「今まではリモコンでプレゼンテーションを再生するパソコンから離れて話をしていても、動画を再生するためにパソコンの前に戻るといった手間がかかった。Spotlightを使えばリモコンをマウス代わりに使えるので、その必要がなくなる」という。

 急速充電に対応し、1分の充電で約3時間のプレゼンテーションが可能。操作距離は20m程度で、パソコンとの間は専用のUSB子機またはBluetooth Low Energyで接続する。Spotlightの動作は専用のアプリを使うことでカスタマイズが可能。対応するプレゼンテーションソフトはWindows 7以降またはmacOS 10.10以降で動くPowerPoint、Keynote、Google Sliedes、Prezi、PDF。出荷開始は同年3月22日。価格はオープン。同社オンラインストアにおける販売価格は1万2880円。