狭山ケーブルテレビとNTT東日本は2017年3月7日、両社の協業によるサービス「さやまケーブルテレビ&フレッツ光」の提供を3月25日に開始すると発表した。

 NTT東日本が提供する「フレッツ光」や、光コラボレーション事業者が提供する「コラボ光」の光アクセスサービスを利用した放送サービスを行う。

 狭山ケーブルテレビはこれまでHFCによるケーブルテレビサービスを展開してきた。今回のサービスの提供に合わせて、加入世帯までのアクセスサービスをNTT東日本の光回線へ全面的に移行していく。これにより、埼玉県狭山市のフレッツ光提供エリアの約6万5000世帯において、1本の光回線で放送サービス、高速インターネットサービス、電話サービスなどを利用できるようにする。

 光コラボレーションモデルを活用して、ケーブルテレビ提供エリアの全域光化を進める事例は、今回が全国で2例目となる。

 3月7日の会見において、狭山ケーブルテレビ 代表取締役社長の清水武信氏は、もともと自社によるFTTH化の準備を進めていたが、光コラボレーションモデルの利用が可能になったことから方針を変更したことを明らかにした。

握手する狭山ケーブルテレビ 代表取締役社長の清水武信氏(左)とNTT東日本 埼玉事業部 埼玉西支店長の飯塚哲也氏
握手する狭山ケーブルテレビ 代表取締役社長の清水武信氏(左)とNTT東日本 埼玉事業部 埼玉西支店長の飯塚哲也氏
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 清水社長は、「実は約10年前にNTT東日本の光ケーブルを貸してもらえないかと打診したことがある」と振り返った。当時は、制度が整っておらず実現しなかったが、今回、光コラボレーションの開始により想定したような形態のサービス提供が可能になったことから、元々の思いもあり、決断したという。「ICT関連の技術革新のスピードは速い。光ケーブルの技術レベルはNTTが最も高いと思っており、その技術を利用することにした。我々ケーブルテレビ会社は、地域密着型の利用者サービスに特化するほうがいい。それが地域の住民の皆さんの幸せにつながると考えた」と説明した。

 狭山ケーブルテレビは、こうした考えに基づき、今後はサービス業により特化していく方針。例えば、利用者のテレビやパソコンに関するトラブル解決をサポートするサービスとして「OASIS」を提供しているが、人員の拡大も含めてこのサービスの充実を図る。

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