健康管理サービスのFiNC(フィンク、東京・千代田)は2017年3月7日、スマートフォン(iOS/Android)向けの新しい健康管理・パーソナルコーチアプリ「FiNC」のサービスを始めた。無料で利用できる。

 FiNCのこれまでの主力事業は、オンラインでインストラクターや栄養士ら専門家による健康・運動指導を受けられるサービスだ。ダイエットを指導する「FiNCダイエット家庭教師」の料金は2万9800円(税別)から。専門家によるカウンセリングを伴うため、利用者にとっての費用負担は小さくない。

写真1●FiNCの南野充則取締役CTO
写真1●FiNCの南野充則取締役CTO
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 南野充則取締役CTO(写真1)は、「AI(人工知能)を活用し、誰でも手軽にプロのパーソナルコーチ並みのアドバイスを得られる仕組みを作りたいと考えた」と説明する。アプリ内課金は当面の間しない方針で、自社サービスや提携先のジムなどへの送客を通じた収益化を検討している。

 FiNCアプリでは、最初に生年月日や身長・体重、持病や健康に関する悩みなどを入力する。歩数や体重、睡眠時間を記録する機能もあり、スマートフォン内蔵の歩数計や、ウエアラブルデバイス「Fitbit」などを使って自動入力することもできる。

写真2●健康管理アプリ「FiNC」の画面。AIチャットボットが健康アドバイス
写真2●健康管理アプリ「FiNC」の画面。AIチャットボットが健康アドバイス
(出所:FiNC)

 入力されたデータを自動解析し、アプリ内に登場するAIチャットボット「あいちゃん」が、その人に合ったアドバイスをする(写真2)。例えば、夜になったら「夕食はもう済ませましたか?」と問いかけてくる。「食べた」と答えたら、「何を食べましたか、カロリーをお調べします」と返ってくる。食べたものをテキストで入力すると、カロリーを教えてくれる。

 2017年夏ごろをメドに、画像解析で食事内容を自動判定する機能を実装する予定だ。食事を写真で撮影すると、写真を「ハンバーグ」「ご飯」「サラダ」などに分割し、メニュー内容を自動判別。カロリーや栄養素を概算し、チャットボットを通じて食事指導する。

 画像解析には画像深層学習(ディープラーニング)フレームワークの「Caffe」を使う。

 既存のダイエット指導サービスなどで蓄積している食事写真と栄養士による判断を「教師データ」として与え、食事内容の自動判定の精度を上げる。