ルーマニアのセキュリティ対策ソフトベンダーであるビットディフェンダーは2017年3月2日、家庭用の箱型IPS(不正侵入防御システム)デバイス「Bitdefender Box」(写真1)を国内で発売すると発表した。
8日からAmazon.co.jpなどでネット販売を始める。希望小売価格は1万4800円(税別、1年間の使用料込み)。2年目以降も利用を続ける場合の更新費用は年間9000円(税別)。
Bitdefender Boxは家庭用ブロードバンドルーターに接続して使う。家庭内ネットワークにあるPCやスマートデバイス、IoT(インターネット・オブ・シングズ)機器へのサイバー攻撃を防ぐ機能を持つ。
利用開始時や利用中に、家庭内の機器のセキュリティ脆弱性をスキャンする。「ドアホンの管理用ID/パスワードがroot/123456のような単純なものになっている」といった問題点を自動検出。警告を出して、パスワード変更などの対応を促す機能を持つ(写真2)。
シニア プロダクト マーケティング マネジャーのトニー・アンドレイ氏(写真3)は、「2019年までにインターネット接続するようになるホームデバイスは25億台になると予測されている。ウイルス対策ソフトをインストールできないIoTデバイスが増え続ける状況でセキュリティをどう担保するかを考え、Bitdefender Boxを開発した」と話した。
他にもマルウエアの侵入防止やフィッシングサイトへのアクセスブロック(写真4)などの機能を持つ。PCやモバイルデバイスにインストールして使うウイルス対策ソフト「Bitdefender Total Security Multi-Device」のライセンスも付属し、台数無制限で利用できる。
同種の家庭用IPS製品にはトレンドマイクロの「ウイルスバスター for Home Network」があるぐらいで、まだ大きな市場にはなっていない。
家庭用IoT機器に感染するマルウエア「mirai」が猛威を振るうなどセキュリティ脅威は増しているが、まだ一般的な認知は広がっていないのが実情だ。
Bitdefender Boxの国内における代理店に当たるBBソフトサービス(東京・中央)の山本和輝氏は、「家庭用IoT機器への脅威について啓蒙しながら、地道に市場を開拓していく」と説明する。