ホンダは2017年2月28日、ロボットや人工知能(AI)などのノウハウを生かして革新的な技術やサービスを創出するための研究開発組織「R&DセンターX(エックス)」を、2017年4月に新設すると発表した。子会社の本田技術研究所が東京・赤坂で2016年9月に立ち上げた研究開発施設「HondaイノベーションラボTokyo」内に設ける。

本田技術研究所が2016年に開設したHondaイノベーションラボTokyo
本田技術研究所が2016年に開設したHondaイノベーションラボTokyo
[画像のクリックで拡大表示]

 新組織では2足歩行ロボットの「ASIMO」の開発などで培ってきたロボット関連技術とAIを軸に研究開発を進めていく。外部企業などと連携する「オープンイノベーション」を強化して開発のスピードを高める。

 本田技術研究所の社長を務めるホンダの松本宜之専務はHondaイノベーションラボTokyoでの会見で「新たな価値を創造するため二輪車や四輪車といった既存事業と切り離して、新たな研究組織を立ち上げる。ベンチャー企業や大学の研究機関のみならず、革新的なアイデアを持つ個人を含めて門戸を開放し連携を図っていく」と意気込みを語った。

本田技術研究所社長を務めるホンダの松本宜之専務
本田技術研究所社長を務めるホンダの松本宜之専務
[画像のクリックで拡大表示]

 研究を支援するアドバイザーには、AIの世界的権威で米スタンフォード大学名誉教授のエドワード・ファイゲンバウム博士と、経営共創基盤の冨山和彦代表取締役CEO(最高経営責任者)が就任する。ファイゲンバウム博士は「イノベーションのための組織を、ホンダが海外の研究拠点ではなく東京に設けたことを高く評価したい。日本にいる若く優れた技術者の潜在能力に期待している」と話した。

アドバイザーに就く米スタンフォード大学のエドワード・ファイゲンバウム名誉教授
アドバイザーに就く米スタンフォード大学のエドワード・ファイゲンバウム名誉教授
[画像のクリックで拡大表示]