米Mozillaは現地時間2017年2月27日、“あとで読む(save-for-later)”サービス「Pocket」の開発元である米Read It Laterを買収したと発表した。Mozillaにとって初めての戦略的買収となる。PocketもMozillaに加わることを前日に公式ブログで公表しているが、いずれも買収額については明らかにしていない。

(出所:米Mozilla)
(出所:米Mozilla)
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 PocketはWebコンテンツをあとで読むために保存しておくサービスで、2007年に創業した。現在1000万人の月間アクティブユーザーが利用しており、「Flipboard」や「Twitter」など多数の主要アプリケーションに統合されている。記事やビデオなどさまざまなタイプのコンテンツを保存でき、累計で30億点にのぼるコンテンツ素材が保存されている。いったん保存すれば、スマートフォン、タブレット端末、パソコンなどいずれの所有デバイスからも閲覧可能で、オフライン環境にも対応する。iOS、Android、Windows端末で利用でき、Mozillaの「Firefox」、米Googleの「Chrome」、米Appleの「Safari」ブラウザーをサポートする。

 Mozillaは、モバイルにおけるプレゼンス拡大と、高品質なWebコンテンツの発見および利用を後押しする強力なツールの提供という同社の戦略に、Pocketが貢献すると期待している。両社はPocketとFirefoxの統合で1年以上協力してきた。

 PocketはMozillaの完全子会社となり、Mozillaのオープンソースプロジェクトの1つとなる。また、Pocketの中核チームはMozillaの新たなコンテンツ推薦システムの構築プロジェクト「Context Graph」の促進にも取り組む。

 PocketはMozilla傘下で引き続き独立したサービスを運営し、オフィス、チームメンバー、ブランド名も維持する。「既存のロードマップを強化し、いっそう明確なものにした」として、数カ月以内に複数のアップデートを実施するという。

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