KDDI、Sensus Japan、ミライト・テクノロジーズの3社は2017年2月27日、通信が届きにくいと予想される山間部における水道スマートメーターの実証実験に関して、JFEエンジニアリングの技術協力要請を受けて業務委託に合意したと発表した。実験では、水流量などの計測データを遠隔収集して可視化する。協力期間は、2017年2月28日から2018年1月まで。

FlexNetと接続した水道スマートメーターの外観
FlexNetと接続した水道スマートメーターの外観
(出所:KDDI)
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 JFEエンジニアリングは2016年2月、箱根水道パートナーズと神奈川県企業庁とともに、箱根町北部地区において水道スマートメーターの共同研究を実施すると発表していた。今回、実証実験の実施に当たって技術協力要請を受けたベンダー3社が、具体的な実験の内容などを発表した形である。

 実験では、通信が届きにくい山間部の水道スマートメーター20カ所から、Sensus Japanの無線通信規格「FlexNet」を介して、水流量などの計測データを遠隔収集して可視化する。基地局と水道スマートメーターは2キロメートルほど離れており、FlexNetで接続できるかどうかを検証する。さらに、計測結果をもとに、従来のアナログメーターとの精度比較や漏水検知の検証なども実施する。

 ベンダー3社の役割はこうだ。Sensus Japanは、水道スマートメーター、FlexNet無線設備、広域無線ネットワークシステムなどを提供。ミライト・テクノロジーズは、今回の無線基地局における無線免許従事者であり、無線設備などの設計、構築を担当。KDDIは、水道スマートメーターから収集した計測データを可視化して提供する。

 今回採用した無線通信規格であるFlexNetの特徴は、電波の到達性が高く、消費電力が小さいこと。いわゆるLPWA(Low Power Wide Area)の無線規格の一つで、建物の内部や水道メーターのピット内との通信が可能としている。280MHz帯の周波数帯を利用し、無線局免許が必要になる。