ヤフーは2017年2月24日、ネットオークションサービス「ヤフオク!」の事業戦略を明らかにした。「フリマ型」の売買機能の認知度向上やポイント特典などのキャンペーンを強化。同機能の想定利用者である10~20代を増やし、若年層を中心に支持を広げるフリマアプリに対抗する。

 「ヤフオク!への誤解をといてもらうキャンペーンを続けていく」。同日にヤフーが開催したヤフオク!出品者を表彰するイベントで、一条裕仁ヤフオク!カンパニーユニットマネージャーは、こう宣言した。

一条マネージャーはフリマサービスによって「新規利用者獲得の基盤ができた」と話す
一条マネージャーはフリマサービスによって「新規利用者獲得の基盤ができた」と話す
(出所:ヤフー、以下同)
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 ヤフオク!に対する誤解とは何か。ヤフオク!は競りで価格を決めるオークション方式だけであり、定額で手軽に売買できるフリマ方式はお呼びでない、というものだ。

 一条マネージャーによれば既に7~8年前から、定額で購入できる出品が全出品の半数を占めていたという。「昔から気軽に買えるものがたくさんあるとアピールしたい」(一条マネージャー)。

 実質的にはフリマと変わらない売買が可能なのに、認知度が今一つと感じたヤフーはこの2月、名前に「フリマ」をうたった出品機能の提供を開始。名実ともにフリマサービスを始めた。

 ヤフーは2017年、フリマ売買サービスを軸に販促施策を強化する方針だ。同サービスそのものの認知度を高める広告、落札したらその場で当たりが分かるくじや共通ポイント「Tポイント」を得られるキャンペーンなどを、積極的に仕掛ける。

現状の利用者構成比
現状の利用者構成比
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「ワンプライス出品」の利用者構成比
「ワンプライス出品」の利用者構成比
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 ヤフーがフリマ売買に注力するのは、若年層獲得に手応えを感じているからだ。フリマサービスの前身として2016年に「ワンプライス出品」を始めたところ、現状の利用者構成比に比べて20代の利用者比率が大きく増えたという。「今年は攻めの利用者獲得に力を入れる。出品者、取扱高、客単価を伸ばし、成長サイクルを加速する」(同)とした。

■訂正履歴
記事公開当初、最終段落で「2015年に」としていたのは「2016年に」の誤りでした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2017/02/24 22:50]