KDDI総合研究所や国際航業、東北大学、日立ソリューションズ東日本、理化学研究所の5団体は2017年2月24日、スマートシティの実現に向けた取り組みとして、街中に設置したセンサーのデータをプライバシーに配慮しながら収集する実証実験を開始した。宮城県仙台市宮城野区田子西地区で2017年2月24日から9月30日まで実施する。

iKaaSプラットフォームを活用したデータ表示例
iKaaSプラットフォームを活用したデータ表示例
(出所:KDDI総合研究所、国際航業、東北大学、日立ソリューションズ東日本、理化学研究所)
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 プライバシーに配慮しながらセンサーデータを収集する仕組みとして、日欧の研究機関が構築したプラットフォーム「iKaaS(インテリジェント・ナレッジ・アズ・ア・サービス)」を使う。iKaaSは多種多様なデータや、データから得られた知識を国を越えて流通させるためのプラットフォームであり、住居の外観をマスク処理して見えにくくするなど、プライバシーやセキュリティに配慮する機能を組み込んでいることが特徴。

iKaaSプラットフォームの概念
iKaaSプラットフォームの概念
(出所:KDDI総合研究所、国際航業、東北大学、日立ソリューションズ東日本、理化学研究所)
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 今回、iKaaSを使って田子西地区のタウンマネジメントサービスを想定した実証実験を実施する。屋内外に取り付けたセンサー情報や、異なるクラウドに存在する都市空間データ、気象関連データなどを、プライバシーに配慮した開示制御を施しつつ統合して処理するという。これにより、消費電力や発電量予測の効率化につなげることを目指す。

 さらに、過去、現在、未来の町の様子を分かりやすく示せるように、データの変動やデータ処理結果を体感的に表示するアプリケーションを用意するとしている。街作りに関わる事業者や住民の、防災や省エネ、都市計画などに役立つことを目指すとしている。