ノキアソリューションズ&ネットワークス(以下、ノキア)は2017年2月23日、NTTネットワーク基盤技術研究所(以下、NTT)と共同でエッジコンピューティングを使ったIoT(インターネット・オブ・シングズ)の実証実験の成果を発表した。監視カメラをつなぐネットワークの端末部(エッジ)でデータを前処理し、遅延時間の短縮やクラウドへ送信する通信量の削減を確認。2020年をメドに公共スペースでのIoT向け通信基盤を構築したい考えだ。

ノキアソリューションズ&ネットワークスは2017年2月23日、エッジコンピューティングを使ったIoTの実証実験の成果を発表した。
ノキアソリューションズ&ネットワークスは2017年2月23日、エッジコンピューティングを使ったIoTの実証実験の成果を発表した。
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 ノキアとNTTは今回、神奈川県川崎にあるノキアのラボで監視カメラを使い、歩行者の顔認識の画像処理にエッジコンピューティングを応用した。IoTデバイスをつなぐネットワークのエッジに画像を解析するソフトウエアを実装し、データを処理する仕組みをとる。これにより、顔認識にかかる時間を短縮し、ネットワークの通信量を削減できたという。ノキアのエッジコンピューティング向け製品に、NTTの低遅延通信パケット処理技術やデータ補正技術などを組み合わせて実現した。

 従来の顔認識では、監視カメラで撮影した動画をクラウドへ送信し、クラウド上でデータを解析していた。この場合、ネットワークでデータを通信するため遅延が発生し、余分なデータも送信するため、通信量が大きくなっていた。クラウドでデータを処理する場合、データが集中するため処理負荷が高まるという課題もあった。

 今後、両社は同技術をIoT向けのネットワーク基盤として構築するという。市街地での防犯サービスなどへの用途を想定する。

 両社は、同技術の詳細やユースケースのデモを2017年2月27日からスペイン・バルセロナで開催する「Mobile World Congress 2017」で紹介する予定だ。

■変更履歴
実証実験の場所について、当初取材に基づき、東京都内の市街地で実施したと記載していましたが、ノキア広報からの情報訂正がありました。正しくは実験場所は、神奈川県川崎にあるノキアのラボでした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2017/02/24 13:10]