SCSKは2017年2月23日、大容量キャッシュで高速化を図ったハードディスクベースの1次ストレージ「InfiniBox」の販売を開始した。開発会社はイスラエルのインフィニダットで、日本法人のインフィニダットジャパンによるとSCSKは初めての販売代理店。SCSKによる価格は個別見積もりだが、「5年間のTCOで比較すると既存のハイエンド1次ストレージの3分の1程度」(SCSK)。販売目標は初年度10億円。

InfiniBoxの概要
InfiniBoxの概要
(出所:SCSK)
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 InfiniBoxは、1次ストレージ用途のSAN/NAS統合ストレージである。汎用PCサーバーと自社開発のストレージソフトを組み合わせて開発している。形状はシングルラック(42U)で、ハードディスクを480個搭載する。容量は最大2.7ペタバイト。コントローラーは3ノードを全てアクティブ構成でつなぎ、負荷分散と高可用性を両立させた。性能は100万I/O毎秒で、可用性は99.99999%をうたう。

 特徴は、大容量のニアラインSAS接続のハードディスク(HDD)をデータの記録用に用いつつ、HDDへの読み書きを高速化するキャッシュとして、メモリー(DRAM)の一部とSSD(ソリッドステートドライブ)を利用することである。メモリーは、書き込み時と読み出し時の両方でキャッシュとして使う。メインメモリーの最大容量は、最上位モデルのF6000の場合で3Tバイト。SSDは、読み出し時にキャッシュとして使う。SSDの最大容量は86Tバイト。

 InfiniRAIDと呼ぶ、データを細かく分割して全てのHDDに分散して書き込む仕組みも備える。2個のパリティ・データも生成する。これにより、アクセス性能を均質化しているほか、HDDの故障時や交換時のリビルド時間を短縮している。