電通は2017年2月23日、日本の総広告費と、媒体別・業種別広告費を推定した「2016年(平成28年)日本の広告費」を発表した。2016年1~12月の日本の総広告費は6兆2880億円(前年比1.9%増)となり、5年連続で前年実績を上回った()。

図●日本の広告費の推移
図●日本の広告費の推移
出所:電通
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 「新聞広告費」と「雑誌広告費」、「ラジオ広告費」、「テレビメディア広告費」(地上テレビ放送と衛星メディア関連)を合計した「マスコミ四媒体広告費」は2兆8596億円で、前年比0.4%減となった。個別にみると、新聞広告費は同4.4%減、「雑誌広告費」は同9.0%減、ラジオ広告費は同2.5%増、テレビメディア広告費は同1.7%増となっている。

 ラジオ広告費は1285億円で、2年ぶりに前年比増に転じた。電通はラジオ広告費について、「年間を通して好調に推移」「『radiko.jp(ラジコ)』は、月間ユニークユーザ-数およびプレミアム会員数が前年に引き続き堅調に推移。また、リアルタイム以外でもラジオ番組が聴けるタイムフリーサービスがスタートし、利用が促進された」などとしている。

 テレビメディア広告費のうち地上波テレビ(タイム広告とスポット広告の合計)は年間を通してプラスで推移した。衛星メディア関連は2年ぶりにBS放送とCS放送、ケーブルテレビがそろって前年の実績を上回った。

インターネット広告媒体費は初の1兆円超え

 「インターネット広告費」は、モバイル広告市場の成長や動画広告、新しいアドテクノロジーを活用した広告配信の浸透などにより伸長し、前年比13%増となった。インターネット広告費のうち大部分を占める「インターネット広告媒体費」は金額ベースで1兆378億円となり、初めて1兆円を超えた。「プロモーションメディア広告費」は同1.1%減となったが、屋外広告や展示・映像などは前年に引き続き増加した。

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