ドローンを使った測量事業を手がけるテラドローンは2017年2月22日、GPS(全地球測位システム)を内蔵した対空標識「AeroPoint」の販売を開始した(写真1)。本体にGPSを内蔵するため、設置するだけでドローンを使った高精度な測量が可能になる。価格は数万円ほどを予定している。

写真1●GPSを内蔵した対空標識「AeroPoint」
写真1●GPSを内蔵した対空標識「AeroPoint」
[画像のクリックで拡大表示]

 対空標識は、ドローンを使った測量で精度を高めるために利用する。対空標識を設置しない測量では誤差が1~2mほどになるが、対空標識を設置すると2cm以下に抑えられる。ただし、これまでは対空標識の設置に手間と時間がかかることが課題になっていた。対空標識を設置した地点の座標を、トータルステーション(TS)と呼ぶ測量機器を使って、人が手作業で測量する必要があったからだ。

 対空標識は概ね1ヘクタールに1個ずつ設置する。対象エリアが10ヘクタールであれば合計10個の対空標識を設置するが、その1個1個を人が手作業でTS測量することになる。テラドローンによると、対空標識を設置する作業だけで、測量作業全体にかかる時間の7~8割を占めるという。

 今回テラドローンが販売を開始したAeroPointを対空標識として使うと、設置時の測量作業は不要になる(写真2)。内蔵するGPSで座標位置を自動的に取得できるからだ。座標位置の情報は、AeroPointが内蔵する無線LAN経由でスマートフォンのアプリなどで収集する。

写真2●上空が開けていて平らに地面に設置する
写真2●上空が開けていて平らに地面に設置する
[画像のクリックで拡大表示]

 これまでも、AeroPointのようなGPSを内蔵する対空標識は販売されていたが、価格が数百万円と高価だった。AeroPointは数万円と安価で、ユーザー企業は導入コストを抑えられる。AeroPointは、豪Propeller Aerobotics社が開発した。