運送大手の米UPSは現地時間2017年2月21日、ドローンとトラックを組み合わせた新たな配送システムのテストに成功したと発表した。ときにはドライバーが1件の配達に数マイルも走らなければならないような田園地帯などの地方配達の効率化が期待できるとしている。

 UPSは、配達用トラックの屋根からドローンを飛ばして荷物を自動配達するテストを米フロリダ州リティアで2月20日に実施した。米Workhorse Groupが開発を手がけるドローン「HorseFly」と連係する電気トラックを使用した。

 トラック荷台の天井部分にドローンが格納され、ドライバーは荷台内部からドローンに荷物を積載する。運転席の操作パネルで経路を表示し、ボタンをタッチすると、ドローンが荷台屋根から飛び立つ。ドローンが自動配達しているあいだ、ドライバーはトラックで別の配送先に向かうことができる。配達が終わったドローンはトラックの位置を認識して荷台屋根のドックに自動で戻る。

 HorseFlyはドックに格納されている間に充電される。飛行時間は最長30分で、積載量は最大10ポンド(約4.5kg)。

 今回のテストではWorkhorseが飛行経路を設定したが、将来的にはUPSの配送用ソフトウエア「On-Road Integrated Optimization Navigation(ORION)」でルート指定できるようにする。

 UPSでは毎日約6万6000人のドライバーが配達に回っており、「ドライバー1人が走行距離を1日1マイル減らせれば、1年間で最大5000万ドルのコスト節約になる。輸送コストだけでなく、排ガス量も削減できる」とUPSは述べている。

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