米Verizon Communicationsと米Yahoo!は現地時間2017年2月21日、VerizonによるYahoo!の中核事業買収について、買収額を3億5000万ドル引き下げることで合意したと発表した。

 条件改定により、買収総額は約44億8000万ドルとなる。2017年第2四半期に手続きを完了する見込み。

 両社は2016年7月に、VerizonがYahoo!のインターネットメールや検索サービスを含む中核事業を約48億3000万ドルで買収することで最終合意したと公表。しかし同年9月に、Yahoo!から5億人分以上の個人情報が過去に流出していたことが発覚し、12月にはさらに10億人分以上のデータ漏えいが判明した。

 こうした事態を受け、Verizonが買収額の値引きを迫るか、あるいは買収を撤回する可能性もあると見られていたが、Yahoo!は2017年1月に再交渉が進んでいることを示唆。複数の海外メディアが先週、2億5000万ドル以上の減額で近く合意すると報じた。

 Verizonと中核事業売却後のYahoo!は、個人情報流出に関して生じる法的責務を共有する。Yahoo!は売却完了後に社名を「Altaba」に変更し、中国Alibaba Group Holding(阿里巴巴集団控股)の株式15%と日本のヤフー(Yahoo! Japan)の株式35.5%を保有する投資会社となる。

 VerizonはYahoo!中核事業を傘下の米AOLと統合する考え。同買収によりモバイルユーザー6億人以上を含む10億人超のオンラインユーザーを獲得することになる。

 新条件での買収計画に対する株主投票は早ければ4月に行われる見通し。なおYahoo!はセキュリティ侵害の事実を適切に開示したかどうかについて米連邦証券取引委員会(SEC)の調査を受けており、株主の訴訟やSEC調査による責務はYahoo!がすべて負担する(米New York Timesの報道)。

[発表資料(Yahoo!のプレスリリース)] [発表資料(Verizonのプレスリリース)]