KDDIは2017年2月20日、法人向けIoTクラウドサービスの説明会を開催し、トイレの空室や節水を管理する新サービスを発表した。オフィスビルや商業施設などを対象に、2017年3月以降に提供開始する。

 説明会には、KDDI ソリューション事業本部 ビジネスIoT推進本部 ビジネスIoT企画部長の原田圭悟氏が登壇。「日本で話題のIoTだが、KDDIでは15年前から手がけている。現在ではIoTクラウド、回線サービス、デバイスを含めたワンストップサービスを提供している」と同事業について紹介した(写真1、2)。

写真1●KDDI ソリューション事業本部 ビジネスIoT推進本部 ビジネスIoT企画部長の原田圭悟氏(撮影:山口 健太、以下同じ)
写真1●KDDI ソリューション事業本部 ビジネスIoT推進本部 ビジネスIoT企画部長の原田圭悟氏(撮影:山口 健太、以下同じ)
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写真2●M2M向け通信モジュールに15年の実績
写真2●M2M向け通信モジュールに15年の実績
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 これらのソリューションを法人向けに提供する中で、「分かりやすいIoT」を求める声があったという。「初期投資なしで手軽に始められるものを検討していく中で、誰もが毎日使うトイレにコアニーズがあると考えた」(原田氏)と説明した。

 実際にはオフィス環境では、トイレが重視される傾向にあるという。原田氏が実施した調査では、「空調」に次いで「トイレ」が2位に挙げられ、女性の回答では1位だったという。また、トイレで困ることとしては男女ともに「個室ブースの数が足りない」点を挙げ、「オフィス環境では、トイレが使いたいときにふさがっていることが問題だ」(原田氏)と指摘した。

 これに対してKDDIは、IoTを用いたトイレの「空室管理」と「節水管理」の2つのサービスを提供する(写真3)。

写真3●IoTを用いたトイレの「空室管理」と「節水管理」サービスを提供
写真3●IoTを用いたトイレの「空室管理」と「節水管理」サービスを提供
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トイレに長く滞在すると管理者に通知が行く

 空室管理サービスは、トイレの扉部分にマグネットセンサーを配置。開閉を検出すると、トイレ内に設置した専用のゲートウェイ端末を経由し、KDDIが運営するクラウドにデータを送信することで実現する(写真4、5)。

写真4●扉の開閉をマグネットセンサーで検出
写真4●扉の開閉をマグネットセンサーで検出
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写真5●BluetoothとWi-Fiのゲートウェイ端末(通常は掃除用具入れなどに設置する)
写真5●BluetoothとWi-Fiのゲートウェイ端末(通常は掃除用具入れなどに設置する)
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