Appleは数カ月後にも、インドで同社スマートフォンの廉価モデル「iPhone SE」の組み立てを始める見通しだと英Reutersやインドの経済紙Economic Timesなどが現地時間2017年2月17日までに報じた。

 それによると、Appleの製造パートナーである台湾の電子機器製造受託業者、Wistron(緯創資通)がインド・カルナータカ州の州都バンガロールに、iPhoneの組立業務を専門に行う工場を設置する予定。この工場は早ければ2017年4月にも稼働するという。ただ、当初の製造台数は30~40万台と、極めて低い数に抑えられていると情報筋は話している。

 一方でAppleは現在、課税軽減などの特別措置を求めてインド政府と交渉しているが、同社はその結果を待つことなく同国で組立業務を始めるという。このためiPhone SEの当初の製造は、課税軽減措置の適用、非適用に関わらず始まると、情報筋は話している。

 Economic Timesによると、AppleはインドでiPhoneの販売価格を引き下げたいと考えている。同国におけるiPhoneの新モデルの価格は5万インドルピー(約8万4000円)から。しかし同国では70~80%のスマートフォンが1万ルピー(1万7000円)以下で売られている。またiPhone SEの当初の価格は3万9000ルピー(約6万6000円)以上だったが、現在は3万ルピー(約5万円)で売られている。iPhone SEが現地で生産されることになれば、この価格はさらに下がる可能性があるとEconomic Timesは伝えている。

 なおAppleがインドでiPhoneを製造するという観測はこれまでにも出ていた。こうした同社の施策がNarendra Modi首相の進める「Make in India(インド製造業の促進)」政策を後押しすると認められれば、Appleは同国で初となる直営店を開設できる可能性があるとも伝えられている。