ペイオニア・ジャパンは2017年2月16日、国を越えた商取引の外貨建て決済サービスの提供を始めた。中小の越境ECやネットサービス事業者を対象に、取引先からの外貨代金の受け取り、外貨の一元管理、国内口座への出金といった処理をネット経由で可能にする。利用者が負担するのは外貨を日本円に両替する為替手数料のみ。外貨受取に海外の現地銀行に口座を開く必要はなく、国内の銀行口座を使える。国内事業者の輸出や訪日外国人向け事業の決済需要を見込む。

「日本の企業と世界中の企業をつなげる助けとなる」と話すガリットCEO
「日本の企業と世界中の企業をつなげる助けとなる」と話すガリットCEO
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 「世界を相手にした新たなデジタルビジネスには、新しい世界レベルの決済システムが必要。国をまたいだ取引に、安価で効率的な決済システムを提供する」。会見した米ペイオニアのスコット・ガリットCEO(最高経営責任者)は、こう意気込みを述べた。米マスターカード出身のガリットCEOが2005年に設立した同社は、世界200の国と地域でサービスを提供している。

 ペイオニアが手掛けるのは、利用者が海外で販売した商品の代金を同社に開設したアカウントで一元管理し、利用者国内の銀行口座に送金できるサービス。利用者はペイオニアのアカウントを介して、自国通貨で入出金できる。

越境EC事業者などの利用を想定する
越境EC事業者などの利用を想定する
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 例えば日本の越境EC事業者が米国消費者に販売した商品の代金を、日本円で受け取れる。代金を支払う側である米国の消費者も、ペイオニアのアカウントへ米ドルで入金する。従来、企業や個人事業主が海外で売上金を受け取るには、現地の銀行口座を開設する必要があった。