全日本空輸(ANA)は2017年2月16日、臨時取締役会を開催して篠辺修代表取締役社長が3月31日で退任し、4月1日から後任に平子裕志取締役執行役員が昇格することを決定したと発表した。また同日開催されたANAホールディングスの臨時取締役会で、篠辺社長が4月1日にANAホールディングスの取締役副会長に就任することを決めたと発表した。

全日本空輸の篠辺 修代表取締役社長(左)と次期社長に決まった平子 裕志取締役執行役員(右)
全日本空輸の篠辺 修代表取締役社長(左)と次期社長に決まった平子 裕志取締役執行役員(右)
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 ANAは同日記者会見を開催。篠辺社長は、報道陣からの質問に答える形で、平子次期社長は仕事が手堅い一方大局観を持っているとして「昔私が企画、彼が事業計画にいて、国際線をどう黒字化するかが会社の生命線といえるテーマだった頃、彼はデータベースを持ち込んで(使って分析をして)いかないと、とても数字は作れないと言っていた若手の一人だった」というエピソードを紹介した。

 平子次期社長は、会見後の囲み取材で、ITの活用や投資などへの考えについて、「ITやAI、IoTはしっかり利用していきたいと思っている。ただし拙速は禁物なので、どのようなところにIT技術を生かせるのかを、しっかりと研究しなければいけない。当社にはデジタルデザインラボと呼ぶ部署があり、そこが主導してITの導入を進めている。同部署の話を聞きながら、適正な場所・機能で適正なITを使っていきたい」とコメントした。

 ANAはエアロセンス(ソニーとZMPの合弁会社)と2月2日、ドローンを活用した整備点検作業の実現に向けた検証を開始すると発表。2月15日には新日鉄住金ソリューションズと、ヒト型ロボット「Pepper」およびゴーグル型端末「HoloLens」を組み合わせ、空港での案内業務に使う実証実験を開始している。

 平子氏は1958年1月生まれの59歳で大分県出身。東京大学経済学部を卒業して1981年4月に全日本空輸に入社し、東京空港支店 旅客部長、営業推進本部 レベニューマネジメント部長、企画室企画部長、執行役員 営業推進本部 副本部長、執行役員 米州室長 兼 ニューヨーク支店長を経て2015年4月から取締役執行役員 経理部担当を務めている。2015年4月からANAホールディングスの上席執行役員 財務企画・IR部 担当、同6月から取締役執行役員 財務企画・IR部 担当、2016年4月から取締役執行役員 財務企画・IR部・施設企画部 担当を兼務している。