米Amazon.comと米Googleは、それぞれ自社の家庭用音声アシスタント機器に電話機能を追加することを検討していると、複数の海外メディア(米The Verge米Business Insiderなど)が現地時間2017年2月15日、米Wall Street Journalの記事を引用して伝えた。

 それによると、Amazon.comは2014年から販売している「Amazon Echo」に、Googleは2016年に発売した「Google Home」に、それぞれ通話の受発信ができる機能を追加することを検討しており、これらは2017年中にも提供される可能性があるという。

 これらの機器では、すでに音楽の再生や情報検索、家電の制御、商品注文などが可能になっている。これに通話機能を追加し、利用者が友人や店舗などに手軽に電話をかけられるようにすることは自然な流れだと、事情に詳しい関係者は話しているという。

 Wall Street Journalによると、Amazon.comはEcho発売の翌年に同機器向け電話機能の開発を始めていた。しかしその後技術者の流出などがあり、同社における開発は停滞したという。一方GoogleはAmazon.comからほぼ2年遅れてアシスタント機器市場に参入したが、同社には約10年に及ぶオンライン通信サービスの経験があり、スマートフォン向けOS「Android」の一環として音声認識やトランスクリプションのソフトウエアも手がけていると、同紙は伝えている。

 事情に詳しい関係者によると、Amazon.comは現在、Echoの電話機能として、さまざまな方法を検討している。これにはユーザーの既存電話番号や連絡先リストをEchoと同期するというものや、通話転送機能などがある。またAmazon.comはEchoに電話番号を割り当てることも検討していると情報筋は話している。

 一方で、家庭用アシスタント機器に電話機能を追加することについては、プライバシー侵害への懸念、電気通信規制、緊急通話への対応といった課題があり、Amazon.comとGoogleはこれらを解決していかなければならないとWall Street Journalは伝えている。