スカイディスクは2017年2月15日、低消費電力で長距離伝送を実現するIoTセンサー向け無線通信規格「LoRaWAN」のフィールド実験を1月19日に実施したと発表した。東京都内のビルにゲートウエイ機器を設置し、センサーを持った試験担当者が道路を歩き、推定2キロメートルの広範囲でもデータが取得できることを検証した。

都内でのLoRaWANの通信範囲を調べる実験のルート
都内でのLoRaWANの通信範囲を調べる実験のルート
(出所:スカイディスク)
[画像のクリックで拡大表示]

 ゲートウエイを設置する試験環境として、西松建設が東京都港区虎ノ門にある5階建てのビルを提供した。ビルの屋上に屋外用のゲートウエイを、屋内の3階に屋内用のゲートウエイを設置した。高層ビルなどの障害物がある東京都内でのLoRaWANのカバー距離とビル内での到達可能距離を調べるのが狙いである。

 LoRaWANのセンサーデバイスには、温湿度と照度のセンサーを利用した。試験担当者は、センサーを持って、あらかじめ設定したルートでビル周辺の2キロメートルの範囲を歩いた。センサーは、5秒に1回のペースでデータをクラウドに転送しており、試験担当者は手持ちのスマートフォンで、データを転送できているかどうかをリアルタイムに把握しながらルートを歩いた。

 推定2キロメートルの広範囲でもデータが取得できるかどうかを検証するため、ビルの所在地である虎ノ門を中心に、東京・丸の内方面をルートA、六本木・赤坂方面をルートBとし、二つのルートを測定した。

 屋外用ゲートウエイの場合、ルートAでは2.09キロメートル、ルートBでは1.94キロメートルの電波到達を確認できた。屋内用ゲートウエイの場合、ルートAでは1.39キロメートル、ルートBでは1.19キロメートルの電波到達を確認できた。

 LoRaWANのゲートウエイとセンサー、およびIoTデータを収集して可視化するクラウドサービスには、スカイディスクの「IoTスターターキット(LoRa model)」を使った。同スターターキットの価格は、ゲートウエイとセンサーのレンタル料金込みで30万円から。