デルは2017年2月14日、従業員が100人以上、1000人未満の国内中堅企業446社を対象としたIT動向調査の結果を発表した。同社が2016年12月26日から2017年1月20日にかけて、企業の業務状況、IT担当者数の増減傾向、クラウド利用状況などをアンケート形式で調査したもの。都内で開催された結果発表会見には、デル 最高技術責任者(CTO) 黒田晴彦氏をはじめ、デル 広域営業統括本部 執行役員 統括本部長 清水博氏が登壇し、調査によって判明した課題と、解決に向けてデルが提供するサポート内容について説明した。

デル 最高技術責任者(CTO) 黒田晴彦氏(撮影:大類大吾、以下、同じ)
デル 最高技術責任者(CTO) 黒田晴彦氏(撮影:大類大吾、以下、同じ)
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中堅企業のIT部門は経営層に近しい存在

 初めに登壇した黒田氏は、今回の調査結果を語るうえで重要な項目である「中堅企業におけるIT部門の立ち位置」について説明した。黒田氏は「中堅企業のIT部門に求められるものは、パソコンやエクセル、ITに対する知識だけではない。自社の経営にとって優先順位の高いIT技術を選択し、それによってどのような利益が生み出せるのかといったことを経営層とともに考えることが重要」であると指摘。「このような業務を求められているIT部門は経営層に近い存在である」(黒田氏)と続けた。

 IT部門は経営層だけでなく、現場の人間ともコミュニケーションをとらなければいけない。現場で利用しているITが問題なく稼働しているかどうかを確認しつつ、改善点などの要望があれば、それを解決する必要がある。

 このように、中堅企業のIT部門は経営的観点を持ちつつも、現場の動向を把握したうえで、パソコンやサーバーの設定、保守といった業務をこなしている。加えてセキュリティ対策を含む、IT環境の変化への対応も重要となる。黒田氏は「IT環境の変化に応じて、社内SNSや新たなセキュリティ対策を導入しなければいけない。その際、IT部門は経営層に対して導入の必要性を説明しなければいけない。また、導入の前後には社内でユーザーの教育をする必要がある」と語った。

中堅企業の14%は「ひとり情シス」、13%は「IT専任担当者なし」

 続いて登壇した清水氏は、調査結果の発表として、「IT担当者への給与が二極化している」ことについて述べた。清水氏は「優秀なIT人材を求めている企業の場合、IT担当者への給与は一般の社員よりも高い。しかし、あくまでもバックオフィスとしてとらえている企業の場合は、一般社員よりも低い報酬となっている」とIT担当者に対する給与の動向を説明した。