NTTは2017年2月13日、研究開発の成果発表会である「NTT R&Dフォーラム2017」の報道関係者向け説明会を開いた。人工知能(AI)やIoT(インターネット・オブ・シングズ)、VR(バーチャルリアリティ)などの活用を想定した事例や技術を展示。テニスの錦織圭選手のサーブを打ち返せるデモなど、約100個の展示ブースを用意した。

 錦織選手のサービスを打ち返せる展示では、体験者はHMD(ヘッドマウントディスプレー)を装着する。ディスプレーには、テニスコートの映像を投影し、あたかもコートにいるかのような体験が可能だ。HMDには台湾HTC製の「HTC Vive」を使っている。HMD自体に加速度センサーや角速度センサーなどが搭載されているほか、部屋に装着者の位置を調べるセンサーが用意されている。

台湾HTC製のHMD「HTC Vive」を使ったテニス体験の展示。テニスの錦織選手のサーブを打ち返せる
台湾HTC製のHMD「HTC Vive」を使ったテニス体験の展示。テニスの錦織選手のサーブを打ち返せる
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 映像では、錦織選手が打ってくるサーブに対してラケットを振ると、打ち返したような映像が表示される。打ち返すとき、体験者が持つラケットは振動する。ラケットのインパクトの位置によって振動の強弱が変わる。NTTの開発した触覚技術が搭載されているという。

サーブに対して適切なタイミングでラケットを振ると、ラケットが振動して打ち返したような映像が表示される
サーブに対して適切なタイミングでラケットを振ると、ラケットが振動して打ち返したような映像が表示される
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 展示会場では、スマートフォン向けのアプリケーションを使った案内の仕組みも用意。会場の展示物やサイネージをスマホのカメラで撮影してアプリの画像認識技術で読み込むと、案内情報を表示してくれる。展示会場向けに、展示物やサイネージの形状をあらかじめデータベースに登録。スマホのアプリが展示物などを認識すると、データベースと通信して案内情報を読み込む。

展示物やサイネージは、スマホ向け公式アプリに搭載されている画像認識技術に対応。案内情報を読み込める
展示物やサイネージは、スマホ向け公式アプリに搭載されている画像認識技術に対応。案内情報を読み込める
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 このほか、フォーラムではNTTグループが開発した音声認識や自然言語処理などのAI技術群「corevo(コレボ)」の活用例や、IoTシステムの実現に必要な通信やセキュリティといった技術を展示している。一般公開は2月16日、17日の予定。