米Gartnerが現地時間2017年2月9日までにまとめた、民間用ドローン(小型無人機)市場に関するリポートによると、2017年における世界出荷台数は約300万台となり、前年に比べ39%増加する見通し。また、同年における売上高は前年比34.3%増の60億4900万ドルで、2020年には約112億ドルにまで達すると同社は見ている。

 Gartnerが推計する2017年における民間用ドローンの出荷台数内訳は、個人用が前年比37.9%増の281万7300台、産業用が同57.8%増の17万4100台。個人用ドローンの出荷台数は産業用の16倍の規模になるが、売上金額では産業用(36億8712万ドル)が、個人用(23億6222万ドル)を大きく上回るという。

 出荷台数ベースで見ると、産業用ドローンの市場は規模が小さい。しかし産業用は一般的に積載能力や飛行時間、安全機能といった点で個人用を大きく上回り、平均販売価格がはるかに高い。最近は各国政府が規制づくりを進めており、ほぼすべての産業で試験や運用が始まっている。これにより、産業用ドローンの市場は安定し始めているという。

 そのうち今後発展していくとGartnerが見ているのは、石油、ガス、エネルギー、インフラ、交通・運輸分野などにおける監視・検査用のドローン。この分野の市場規模は2020年までに全産業用ドローンの30%を占めると同社は予測している。

 一方で、当初大きな成長が見込めると考えられていた農業分野は、投資回収率の低さなどが要因となり、ほかの産業分野のようには伸びないと同社は予測する。またメディアなどに注目されている配送用ドローンは、本体コストや運用コストなどがかさみ、同様にして投資回収率が低いという状況。配送用ドローンの規模は、2020年になっても全産業用ドローンの1%未満にとどまるとGartnerは予測している。

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