ベリタステクノロジーズは2017年2月10日、ディザスターリカバリー(災害時復旧、DR)製品の新版「Veritas Resiliency Platform 2.1(VRP2.1)」に関する記者説明会を開いた。VFR2.1は、中~大規模企業の災害対策やDRaaS(ディザスターリカバリー・アズ・サ・サービス)を提供したいクラウドサービス事業者に向けた製品で、2017年2月7日に国内販売を開始した。

 VRPは遠隔地(DRサイト)へのデータのレプリケーションと、本番サイトからの切り替え・復旧時に必要なオペレーションを自動化(オーケストレーション)する製品。オペレーションは例えば、「読み書きするストレージを変更した後にハイパーバイザーに命令を出してゲストOSを起動、起動したらデータベースサーバーを起動」といった具合だ。

 DRサイトはパブリッククラウド、企業のプライベートなDRサイト、その他のデータセンターなどに対応。VRPは国内の主要なストレージ向けのデータ転送ソリューションなどと連携可能だ。

Veritas Resiliency Platform 2.1の操作画面
Veritas Resiliency Platform 2.1の操作画面
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 VRP2.1の主な新機能は二つ。一つは同社のバックアップ製品「NetBackup」との連携で、VRP2.1はNetBackupのバックアップやリストアの処理を制御できる。

 もう一つは米アマゾン ウェブ サービスのパブリッククラウド「Amazon Web Services(AWS)」との連携。DRサイトをAWS上に構築する場合に、メインサイトで動作していた仮想マシンを、AWSで動作可能な仮想マシンに変換してAWSのストレージ(Elastic Block Store)に送るというもの。

 ベリタステクノロジーズのテクノロジーセールス&サービス統括本部の高井隆太常務執行役員は「企業がなかなか災害対策プロジェクトを進められないのは稟議が通らないから」とした。稟議が通らない原因は「高コストで複雑すぎる」点という。「クラウドはコスト面を解決し、複雑さに関してはオーケストレーション機能を備えたVRPで解決する」(高井氏)。

ベリタステクノロジーズ テクノロジーセールス&サービス統括本部の高井隆太常務執行役員
ベリタステクノロジーズ テクノロジーセールス&サービス統括本部の高井隆太常務執行役員
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 VRPは仮想アプライアンスで提供。バージョン2.1からは日本語版のハイパーバイザー(VMware vSphereとMicrosoft Windows Server Hyper-V)と、ゲストOS(Microsoft WindowsとRed Hat Enterprise Linux)での動作を保証した。従来は英語版でしか動作しなかったという。

 利用料(税別)は年間サブスクリプション制で、1仮想OS当たり年額5万2700円。データレプリケーション機能はオプションで、年間サブスクリプション制で提供する。レプリケーション対象のデータ1Gバイトあたり年額100円(税別)となる。