米Appleが今秋市場投入する予定の次期iPhoneには3種類のモデルが用意され、すべてに無線充電機能が搭載される見通しだと、複数の海外メディア(米9to5Mac米Mac Rumors米SlashGearなど)が現地時間2017年2月9日までに報じた。

 Apple製品の市場動向やサプライチェーン情報に詳しい台湾KGI SecuritiesのアナリストMing-Chi Kuo氏が、顧客向けに出した調査レポートで報告した。それによると、同氏はiPhoneの2017年モデルについて、現行のiPhone 7および同7 Plusのデザインを踏襲した2モデルと、全く新しいデザインを採用したプレミアムモデルの計3モデルが用意されると予測している。そしてこれらのすべてに無線充電機能が組み込まれるという。

 また、プレミアムモデルには、iPhoneとして初のOLED(有機EL)ディスプレーが採用され、ディスプレーの端部分がカーブしたベゼルのないデザインになるとしている。このモデルでは物理的なホームボタンが廃止され、Touch IDの指紋認証スキャナーはディスプレーの下に組み込まれる。また本体背面にはガラス素材が採用されると同氏は予測している。

 今回の調査レポートによると、無線充電用の部品は、本体内部の温度を上昇させてしまう問題があるという。従来モデルとの温度差は、一般ユーザーが普段の使用時に気付くほどではない。しかし、熱に敏感な3D Touchセンサーを保護するために、グラファイトシートなどで加工した3D Touchパネルを採用する必要があるとしている。またガラス素材の本体ケースは、従来のアルミニウムに比べ放熱性能が低下するという。

 Kuo氏は、iPhoneの使用部品の変更に伴い、製造原価は上昇すると指摘している。例えば3D Touchモジュールの価格は30~50%上がるという。Appleはこうした部品価格の上昇分を販売価格に転嫁する可能性があると、同氏は報告している。