仮想通貨取引所のコインチェックは2018年2月9日、顧客から預かった日本円を2月13日から引き出せるようにすると発表した。同社は仮想通貨「NEM」の巨額流出が明らかになった1月26日の昼以降、次々と取引所の機能やサービスを停止し、同日の午後4時台に日本円の出金を停止していた。

 同社がサービスの一部を再開するのは事件発生から18日ぶり。事件発生当日は円資産への攻撃リスクを回避して原因を究明するために出金機能を停止した。その後、外部専門家を交えた検証により「技術的な安全性を確認したため、再開を決めた」(コインチェック広報)という。

 顧客はコインチェックに開いた口座に入金した日本円の持ち高を使って、仮想通貨を売り買いしていた。事件後の出金停止で口座の日本円は凍結されたままだったが、13日の再開後は顧客が指定した銀行口座などに円を移動できるようになる。

 今回の出金再開措置はNEMを保有していた顧客26万人への補償とは別。コインチェックは26万人への返金方針を示しているが、時期は現在のところ未定としている。