システム構築サービスを手がけるSIベンダーの協和エクシオは2017年2月9日、外部システムを模倣することによってシステム開発におけるテスト工程(結合テスト)を省力化するソフト「CA Service Virtualization」の販売を開始した。協和エクシオの顧客は、システム構築サービスの成果物として、カットオーバー後のシステムとともに、CA Service Virtualizationによるテスト環境一式を購入できるようになった。

 CA Service Virtualizationは、接続先となる外部システムを模倣した仮想的な結合テスト環境を構築するソフトである。実際には実システムに接続していないにも関わらず、あたかも実システムのように振る舞う模倣システムを実現できる。模倣システムにリクエストを投げると、実システムと同様にレスポンスが返ってくるので、実システムを用意することなく結合テストを実施できる。

 協和エクシオの狙いは、システム構築サービスの顧客に対して、構築したシステムを納めるとともに、CA Service Virtualizationを用いて実現した模倣システムを納めることである。協和エクシオの顧客は、模倣システムを自社の資産として持っておくことによって、業務システムに新機能を追加する際に模倣システムを利用したり、別の業務システムを開発する際に模倣システムを利用したりできるようになる。

 協和エクシオは今回、CA Technologiesとの間で、CA Service Virtualizationの販売代理店契約を交わした。CA Service Virtualizationのライセンスを販売できるようになったので、顧客に対してCA Service Virtualizationを用いて実現した模倣システムを納められるようになった。

 CA Service Virtualizationの販売に先立ち、まずは協和エクシオの社内システムの開発プロジェクトでCA Service Virtualizationを利用した。SAPのERP(統合基幹業務システム)と連携するワークフローシステムを開発する際に、SAPのERPを模倣した。この社内利用で一定の成果を得たことから、顧客向けのシステム構築プロジェクトでも利用することにしたという。