三谷産業は2017年2月8日、ネットワンシステムズとともに都内で会見し、ベトナムと日本を結んだテレビ会議用のネットワークをSD-WAN製品を使って再構築したと発表した。専用回線をインターネット回線に置き換えたことによって、回線費用を25分の1に削減した。2016年10月から稼働している。

三谷産業がSD-WANを使って構築したネットワークの構成。インターネット回線とSD-WANサービスを使って国内3拠点とベトナム1拠点をつないでいる
三谷産業がSD-WANを使って構築したネットワークの構成。インターネット回線とSD-WANサービスを使って国内3拠点とベトナム1拠点をつないでいる
(出所:三谷産業)
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 米ベロクラウド・ネットワークス製のSD-WAN製品を使ったネットワンシステムズのクラウド型SD-WANサービス「ネットワンCloud SD-WANサービス VeloCloud Powered」を採用した。拠点に専用のゲートウエイ(エッジルーター)を設置し、ゲートウエイの設定を一元的に制御する管理機能をクラウドサービスとして提供する。

 新ネットワークは、国内3拠点とベトナム1拠点、合わせて4拠点にゲートウエイとインターネット回線を敷設し、これらをSD-WANでつないだ。ベトナムの拠点は回線品質が心配なので、回線を2重化したという。ゲートウエイは回線を2重化して可用性を高める機能を備えるので、これを利用した。

 背景には、CAD(コンピュータを使ったデザイン)の設計/作図やソフトウエアのオフショア開発の拠点としてベトナムに注力している、という状況がある。ベトナムとの間でテレビ会議のやり取りが頻ぱんに発生しているため、今後のデータ量の増加を見越してテレビ会議用のネットワークを刷新した。

 これまで同社は、テレビ会議用に1Mビット/秒の帯域保証型の専用回線を使っていた。回線費用は1カ月当たり約25万円かかっていた。今回これを、ベストエフォート型のインターネット回線に置き換えた。回線費用は1カ月当たり約1万円になり、性能は実測で5M~15Mビット/秒と高速化した。

 専用回線をインターネット回線に置き換えるに当たってSD-WAN製品を導入した狙いを、三谷産業 情報システム事業部 産業ビジネス営業部 産業ビジネス営業第二課 課長の桶葭宗賢氏は二つ挙げる。一つは、クラウド上にある管理機能から拠点のゲートウエイの設定と管理ができること。ベトナムの拠点を、国内にいながら簡単に管理できる。もう一つのメリットは、ゲートウエイ1台で回線を2重化できることである。

 今後の予定として、「テレビ会議だけでなく他のアプリケーションの用途でもSD-WANを利用したい」(情報システム事業部 産業ビジネス営業部 産業ビジネス営業第二課 課長 桶葭宗賢氏)としている。アプリケーションの種類に応じて優先制御などをかけられるので、こうした機能を利用する。

三谷産業、情報システム事業部 産業ビジネス営業部 産業ビジネス営業第二課 課長 桶葭宗賢氏
三谷産業、情報システム事業部 産業ビジネス営業部 産業ビジネス営業第二課 課長 桶葭宗賢氏
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