米大手技術企業を中心とした約100社は現地時間2017年2月5日、イスラム圏7カ国からの入国を一時禁止する大統領令に異議を申し立てる書類を米第9巡回区連邦控訴裁判所に提出した。

 米Apple、米Google、米Facebook、米Microsoftを含む97社が署名したのは、大統領令の差止を命じる米ワシントン州連邦地方裁判所の判断を支持するアミカスクリエ意見書。4社のほか、米Intel、米LinkedIn、米Netflix、米Twitter、米Uber Technologiesや、衣料メーカーの米Levi Strauss、食品メーカーの米Chobaniなども名を連ねている。

 Donald Trump米大統領は1月27日に、テロ対策を主な理由として、シリア、イラク、イラン、スーダン、リビア、ソマリア、イエメンからの入国を90日間停止する大統領令に署名した。これを受けワシントン州やミネソタ州は違憲だとして提訴。ワシントン州の地裁は大統領令の即時停止を決定した。Trump政権はこの判断を不服として効力停止を申し立てたが控訴裁はこれを退けた。控訴裁はワシントン州とミネソタ州、および米司法省に資料提出を求め、さらに詳しい情報を得た上で審査するとしている(米Washington Post米CBSNewsなどの報道)。

 米大手IT企業が大統領令に抗議する共同書簡を準備していることは、今月初めに伝えられていた(関連記事:米大手IT企業がトランプ大統領の入国禁止令にノーで団結か)。意見書では、「米国における偉大な発見の多くは移民によって行われ、最も革新的で象徴的な企業の一部は移民によって設立された。自身や子どもたちのためにより良い生活を求めてこの国に来た人々の経験やエネルギーは、この国の社会的、政治的、経済的基盤に組み込まれている」と主張し、「(入国制限の大統領令は)米国のビジネス、イノベーション、成長に重大な損害をもたらす」と強く抗議している。

 同意見書は、もともと今週末に提出される予定だったが、控訴裁の判断に影響を与える狙いから、提出を繰り上げたと米Bloombergは報じている。

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