富士通は2017年2月6日、センサー数やデータ量が大きい大規模なIoT(インターネット・オブ・シングス)システムを構築したいユーザーに向けて、システムのテスト環境(テストベッド)を無償で提供すると発表した。2月6日から1年間、利用企業を募集する。ユーザーは、実証環境の活用状況に関する報告書を提出することで、実証環境を無償で利用できる。

広域分散データアクセス技術を適用したK5 IoT Platformのイメージ
広域分散データアクセス技術を適用したK5 IoT Platformのイメージ
(出所:富士通)
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 センサーデータをクラウドで一元管理するIoTシステムのうち、取り扱うセンサーやデータが大規模なシステムを対象に、システム実証のための運用環境を提供する。IoTシステムのミドルウエアとして、クラウドにデータを転送せずにセンサーに近いエッジ側で処理させる“エッジコンピューティング”を実現できる「FUJITSU Cloud Service K5 IoT Platform」を使う。

 最大の特徴は、センサーがあるエッジ側でデータを蓄積しながら、クラウド側でデータを一元管理できるようにしたこと。これにより、データをエッジ側で処理しつつ、他のアプリケーションでデータを再利用する、といった効率的なデータの活用が可能になる。

 エッジコンピューティングとデータの一元管理を両立するための技術として、富士通研究所の「広域分散データアクセス技術」をK5 IoT Platformに組み込んだ。データそのものはエッジ側に置きつつ、データの種類や所在情報のみをクラウドに集約する仕組みである。今回の実証環境を利用すると、同様の仕組みを一から作り込む必要がなくなる。