米国の市場調査会社、Strategy Analyticsが現地時間2017年2月1日に公表したスマートウオッチ市場に関するリポートによると、2016年第4四半期(10~12月)における世界の出荷台数は820万台となり、前年同期の810万台から約1%増加した。

 スマートウオッチの世界出荷台数は前年割れが2四半期続いていたが、第4四半期はわずかな回復を見せた。米Appleが9月に新製品を投入したことや、米国、英国をはじめとする主要先進国市場で季節的な需要が高まったことが要因と同社は見ている。また2016年の年間出荷台数は前年の2080万台から約1%増加し、過去最高の2110万台に達した。

 Strategy Analyticsが推計する、2016年第4四半期におけるAppleの出荷台数は520万台で、前年同期比2%増と堅調に伸びた。Appleの市場シェアは63%に上っており、業界最大。同四半期は欧米市場でホリデーシーズンの贈り物として「Apple Watch Series 2」の需要が高まったという(関連記事:「Apple Watch Series 2」はGPS搭載、耐水仕様で水泳もOK)。

 出荷台数の順位でAppleに次いだのは韓国Samsung Electronics。ただし同社の2016年第4四半期における出荷台数は80万台となり、前年同期の130万台から38%減少した。これに伴い同社のシェアは前年同期の16.0%から9.8%に低下した。

 Samsungは旗艦モデルの新製品「Gear S3」を市場投入したが、そのタイミングが同四半期の比較的遅い時期になったことが販売実績に影響を及ぼしたとStrategy Analyticsは指摘している(関連記事:Samsungの新スマートウオッチ「Gear S3」、GPS搭載でLTE対応も)。

 ただいずれにせよ、2016年第4四半期に世界で出荷されたスマートウオッチのほぼ4台に3台がAppleとSamsungの製品という計算になり、この2社は3位以降の米Garmin、米Fitbit、中国Huawei Technologies(華為技術)といったライバルを大きく引き離していると、Strategy Analyticsは指摘している。

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