米Amazon.comは現地時間2017年1月31日、米ケンタッキー州に航空貨物ハブを建設する計画を発表した。「Prime」会員の即日配達などの配送需要に対応するためとしている。

 航空貨物ハブは、ケンタッキー州ヘブロンのシンシナティ・ノーザンケンタッキー国際空港に建設する。稼働開始時点で2000人以上を採用する計画という。

 Amazon.comは同州に11の配送センターがあり、合計で1万人以上を雇用している。航空貨物ハブの場所にヘブロンを選んだ理由として同社は、「配送センターとの接続性と従業員の住環境の良さ」を挙げた。

 米Wall Street Journal(閲覧には有料登録が必要)の報道によると、航空貨物ハブの面積は最大200万平方フィート(18万5000平方メートル)で、アマゾンは約15億ドルの費用を投じる。

 Amazon.comは昨年、大手貨物航空会社の米Atlas Air Worldwide Holdingsと米Air Transport Services Group(ATSG)から合計40機のBoeing 767-300をリースすることで提携しており、現在そのうち16機が運航している。

 同社は2013年の年末商戦で配送遅延の混乱を経験したのをきっかけに、米UPSや米FedEx、米郵便公社(USPS)といった外部輸送業者への依存を減らしたいと考えるようになったとされている。航空貨物機のほか、自社ブランドのトラックを使用する輸送ネットワーク(関連記事:Amazon.comが数千台の輸送トラック導入 配送を効率化)、小型無人飛行機(ドローン)を用いた配送システム(関連記事:Amazon.com、ドローン配送システムの実験で英国政府と提携)の構築などに力を入れている。

 なお、Amazon.comは1月に、向こう18カ月で10万人以上のフルタイム従業員を雇用する計画を明らかにしている(関連記事:Amazon.com、米国で10万人以上を新規採用する計画を発表)。

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