名刺管理サービスを提供するSansanは2017年2月1日、同社が実施した「働き方改革」に関する調査結果を発表した。これは、2017年1月16日と17日の2日間、企業に勤める1035人を対象に、働き方改革の意識・実態についてオンラインアンケートで調査したもの。都内で開催された発表記者会見には、Sansan 取締役 Sansan事業部長 富岡圭氏、マーケティング部 ワークスタイルエバンジェリスト 志賀由美子氏、経済産業省政策局 産業人材政策室 室長補佐 藤岡雅美氏が登壇。調査の結果から見えてきた課題や、働き方改革を実現するための取り組みついて見解を述べた。

写真1●右から経済産業省政策局 産業人材政策室 室長補佐 藤岡雅美氏、Sansan 取締役 Sansan事業部長富岡圭氏、マーケティング部 ワークスタイルエバンジェリスト 志賀由美子氏(撮影:大類大吾、以下、同じ)
写真1●右から経済産業省政策局 産業人材政策室 室長補佐 藤岡雅美氏、Sansan 取締役 Sansan事業部長富岡圭氏、マーケティング部 ワークスタイルエバンジェリスト 志賀由美子氏(撮影:大類大吾、以下、同じ)
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働き方改革に取り組んでいる企業の4割が、業務に支障を感じている

 最初に登壇した志賀氏は、調査結果から見えた問題点として、「働き方改革を必要と考えるオフィスワーカーは8割以上だが、その65.5%が働き方改革に取り組めていない」と分析。働き方改革を妨げている主要な原因として「経営者が取り組む必要性を感じていない」こと、「何から取り組んでいいのかわからない」ことの2点を挙げた。続けて、志賀氏は現在、様々なメディアで働き方改革への取り組みが扱われていることに触れながら、「(働き方改革の)経済効果やモデルケースはまだ確立していない。経営者の中には、働き方改革を行うことで、競争力が衰えたり、利益が損なわれたり、顧客満足度が下がったりしてしまうのではと懸念する人も少なくない」(志賀氏)と指摘した。

写真2●企業が働き方改革に取り組めていない理由について集計したグラフ
写真2●企業が働き方改革に取り組めていない理由について集計したグラフ
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 とはいえ、労働時間の改善を中心に、働き方改革に対するニーズは高まっている。調査結果からは、オフィスワーカーの6割以上が長時間労働に課題を感じており、業務時間管理の強化を求める声も少なくないことが明らかになった。働き方改革の一環として、残業時間の引き下げを行う企業も増えている。