LINE子会社で格安スマホ事業を手掛けるLINEモバイルは2018年1月31日、ソフトバンクとの戦略提携を発表した。ソフトバンクはLINEモバイルが3月ごろに完了を予定する第三社割当増資を引き受け、増資後の出資比率はソフトバンクが51%、LINEが49%となる。

 LINEモバイルは、2016年9月に格安スマホのサービスを開始。「LINE」をはじめとした主要SNSなどへの通信を使い放題とする「ゼロレーティング」を訴求して拡販してきた。同社によると、格安スマホ市場の成長が鈍化する中、2017年10~12月期における申込件数は前年同期比2.3倍と順調に成長しているという。2017年12月にはARPU(契約当たり月間平均収入)が同1.3倍に拡大したほか、サービス開始以降の「平均月間解約率」も0.92%の低水準としている。

LINEモバイルがソフトバンクと戦略提携
LINEモバイルがソフトバンクと戦略提携
出所:LINE
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 ソフトバンクと提携した狙いは、成長スピードの加速やサービスの拡充。具体的な協議はこれから進めるが、総合通信事業者であるソフトバンクの知見を生かし、端末の調達やマーケティングなどを共同で実施することを考えているという。米アップルの「iPhone」がLINEモバイルを通じて提供されることもありそうだ。

 LINEモバイルの嘉戸彩乃社長は留任する。同社のサービスはNTTドコモ回線を活用しており、NTTコミュニケーションズがMVNE(Mobile Virtual Network Enabler)として設備の構築や運用を支援しているが、今後どうなるかは未定。現在、契約中のユーザーはこれまで通りサービスを利用できるとしている。