モバイル機器開発スタートアップのログバーは2017年1月31日、ウエアラブル音声翻訳デバイス「ili(イリー)」の法人向けサービス「ili for Guest」の申し込み受付を始めたと発表した。サービスは2017年6月から始める。一般販売は2017年中を予定する。

写真●ウエアラブル音声翻訳デバイス「ili」の外観
写真●ウエアラブル音声翻訳デバイス「ili」の外観
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 iliは、インターネット接続なしで音声翻訳ができるスタンドアロン型のデバイス。中央部のボタンを押しながら話しかけると、翻訳した音声を反対側のスピーカーから出力する。現在は日本語、英語、中国語に対応する。

 「ili for Guest」では、旅行会社、ホテル、飲食店といった事業者に、ログバーがデバイスを貸与。事業者は、従業員が訪日外国人とのやりとりに使ったり、顧客に貸し出したりできる。料金は、1台貸与を含む1ライセンス当たり月額3980円。

 法人向けサービスでは、各種カスタマイズ機能も提供する。入出力言語の切り替え(日本語→英語、英語→日本語、日本語→中国語など)や、オリジナル辞書の追加、翻訳ログの確認などができる。

 ili for Guestの発表にあわせ、WiFiルーターレンタル業のビジョンが、同年7月にiliレンタルサービスを始めることを表明。iliの実証実験に協力したイオンモールや東京地下鉄も、ili for Guestの導入を検討する。

操作を極限までシンプルにする

 2013年創業のログバーは、ジェスチャーで家電を操作できる指輪型デバイス「Ring」の開発元としても知られる。「Ringは『ジェスチャーで家電の操作をシンプルに!』という触れ込みで販売したが、一般消費者からは、家電とのBluetooth接続の作業などで『複雑だ』と評価されてしまった。『では無線もなくし、極限まで操作をシンプルにしたデバイスを作ったらどうだろう』と考えて生まれたのがiliだ」(ログバーの吉田卓郎代表取締役CEO)。

写真●ログバーの吉田卓郎代表取締役CEO
写真●ログバーの吉田卓郎代表取締役CEO
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