WOWOWの代表取締役社長の田中晃氏は2017年1月31日、同日に開いた「2016年度第3四半期決算発表会見」で、2016年度第3四半期末(2016年12月末)時点の累積加入件数について述べた。「累積加入件数は約284万3000件で、第3四半期末の数字としては過去最高となった」と報告した。

写真●WOWOWの代表取締役社長の田中晃氏
写真●WOWOWの代表取締役社長の田中晃氏
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 2016年度上期においては、錦織圭選手が活躍した「全米オープンテニス」や、4年に一度開催される「UEFAサッカー欧州選手権」などが新規加入者獲得を牽引した。2016年10月以降は、音楽フェスの「VISUAL JAPAN SUMMIT 2016」や、福山雅治さんの年越しライブなどの音楽番組が累積加入者の増加に貢献したという。一方、解約件数については、「お客様一人ひとりの嗜好に合わせた番組レコメンド施策が解約防止に一定の成果を上げ、ほぼ想定通りに推移した」としている。

 同社の2016年度第3四半期末の連結業績は、売上高が584億5900万円(前年同期比4.3%増)、経常利益は87億2800万円(同17.7%増)となった。売上高は子会社の売り上げの増加や、累積加入件数の増加などによって前年同期の実績を上回った。経常利益は、広告宣伝費や番組費の効果的・効率的な費用投下などにより、前年同期比プラスとなった。

 説明終了後の質疑応答では、WOWOWが2017年1月24日に総務省から受けた4K実用放送の衛星基幹放送業務の認定に関する質問が出た。専務取締役の橋本元氏は、「新しいテクノロジーをにらみながら、半歩先の事業を進めるスタートラインに立ったと認識している」「4K放送のチャンネルの内容については、現段階で申し上げることがない」などと回答した。

 会見の締めくくりには、田中社長がWOWOWの事業展開の現状について述べた。「生活者のインターネットによるライフスタイルの変化は、当然我々にも大きな影響を及ぼすと認識している。インターネットの世界にも軸足をちゃんと作るという方針を掲げて、各部署が取り組みを進めている」「これまで以上にコンテンツを強化し、それによって突出した存在感を発揮すること。顧客データの高度化によって会員基盤をより広く、より強固にしていくこと。この二点が当社にとって最も重要という認識を社内で共有して、計画を進めている」などとした。