NECは2017年1月30日、2016年4月~12月期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比8.2%減収の1兆7945億円。営業損益は同447億円減って170億円の赤字だった。同社は合わせて、増収増益予想だった2017年3月期通期(2016年4月~2017年3月)の連結業績予想を、減収減益に改めた。増収増益から減収減益へ予想を改めたのは2年連続となる。

 修正した予想は、売上高が2兆6800億円(2016年3月期比5.1%減)、営業利益が300億円(同614億円減)。2016年10月時点では、それぞれ2兆8800億円(同2.0%増)、1000億円(同9.4%増)と予想していた(関連記事:NECの2017年3月期業績、増収増益予想から一転して減収減益へ)。

 2016年4月~12月期のセグメント別業績は、「エンタープライズ」を除く全セグメントで減収減益。特に「パブリック」、「テレコムキャリア」の両セグメントで大きく落ち込んだ。第3四半期(2016年10月~12月)では全セグメントが減収減益だった。

 新野隆代表取締役執行役員社長兼CEO(最高経営責任者)は「各セグメントの中でも好調な事業と不調な事業があり、会社全体に共通する業績悪化の原因はない」と話した。好調だったのはITサービス事業で、「全セグメントで増収増益だった」(新野社長兼CEO)という。

新野隆代表取締役執行役員社長兼CEO(最高経営責任者)
新野隆代表取締役執行役員社長兼CEO(最高経営責任者)
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 2016年4月~12月期のパブリックセグメントは、売上高が前年同期比12.8%減収の4357億円。同セグメントは宇宙関連事業で不採算が発生し、約90億円の損失を計上。営業利益は前年同期比100億円減の145億円だった。

 テレコムキャリアセグメントの売上高は前年同期比13.0%減の4241億円。営業利益は同183億円減の29億円だった。海外向け事業が想定より伸びなかったことと、次世代通信技術などへの投資が影響した。

 システムプラットフォームセグメントは売上高が同2.8%減の5041億円、営業利益は同41億円減の76億円。その他セグメントの売上高は同10.9%減の2054億円、営業利益は同60億円減って139億円の赤字だった。

 好調だったITサービス事業が主体のエンタープライズセグメントは売上高が前年同期比3.1%増の2252億円、営業利益が同28億円増の169億円だった。

 中期経営計画の見直しについては「2018年3月期の予算を見積もってから慎重に検討する」(新野社長兼CEO)とした。同社は中期経営計画の最終年度に当たる2019年3月期で売上高3兆円、営業利益1500億円を目標にしている。