Donald Trump米大統領がテロ対策を主な理由として、中東など7カ国の出身者の入国を一時停止する大統領令に署名したことを受け、米大手技術企業の最高幹部らが続々と非難の声を上げている。

 Trump大統領は現地時間2017年1月27日に、シリア、イラク、イラン、スーダン、リビア、ソマリア、イエメンからの人々の入国を90日間停止する大統領令に署名した。入国審査の厳格化を命じ、難民の入国も一定期間禁じる。

 米FacebookのMark Zuckerberg最高経営責任者(CEO)は同日、自身のFacebookタイムラインに意見を掲載し、「多くの人々と同様、私はTrump大統領が署名した数々の大統領令について懸念を抱いている」とコメント。同氏は「この国の安全を守る必要はあるが、実際に脅威をもたらす者に焦点を当てるべきだ。それ以外の人々にも取締りを拡大すれば、米国人の安全は脅かされることになる」と主張。自身の祖父母がドイツ、オーストリア、ポーランド出身で、妻の両親が中国とベトナムからの難民であることを例に挙げ、「米国は移民の国で有り、我々はそれを誇るべきだ」と述べた。

 米MicrosoftのSatya Nadella CEOは自身のLinkedInページ上に、Brad Smith最高法務責任者が1月28日に従業員に送った社内メモの内容を公開し、「移民の1人として、CEOの1人として、私は移民が当社に、この国に、世界に与えたプラスの影響を体験し、目にしてきた。我々はこの重要な課題についてこれからも主張し続ける」とコメントした。

 また米Bloombergの報道によると、米Googleは上記7カ国の出身者で米国外に出張または旅行している従業員に対し、すぐに帰国するよう連絡したという。大統領令の対象となるGoogle従業員は100人以上にのぼり、Sundar Pichai CEOは「我が社の従業員が大統領令の犠牲になるのは耐えられない。当社は常に移民問題について見解を公表しており、これからもそのようにしていく」と述べた。

 さらに米AppleのTim Cook CEOは、従業員宛のメッセージで「(移民規制に関する大統領令は)我々が支持する政策ではない」と述べ、米ホワイトハウスに抗議したことも明らかにした(米The Vergeの報道)。